2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an ultrasound-guided obturator nerve block corresponding to the obturator nerve running pattern
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17K11054
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
内野 哲哉 大分大学, 医学部, 助教 (70423697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 真弘 大分大学, 医学部, 講師 (50199957)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 閉鎖神経 / 閉鎖神経ブロック / 外閉鎖筋 / 閉鎖管 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は個体間で顕著に変化する閉鎖神経走行に対応するため、局所麻酔薬を閉鎖管内に注入することを目的とした超音波ガイド下閉鎖神経ブロック新法の臨床応用に着手した。本法によるブロックの有効性を調査するため、単回閉鎖管注入の成功率について、開発した本法と2種類の神経刺激装置を用いた閉鎖神経ブロック法(古典法、傍恥骨結節法)ランダム化比較試験を行った。 経尿道的膀胱腫瘍切除術が予定され、内転筋反射予防のための閉鎖神経ブロックが必要な患者150名を対象とした。局所麻酔薬に造影剤(オムニパーク240)を混ぜた混合液を注入し、X線撮影による薬剤伸展度により閉鎖管到達度を検討した。全身麻酔で手術が行われた患者ではブロック施行前後の内転筋力を測定した。 不整脈、造影剤アレルギーなどで11名が除外され、139例が解析可能であった。古典法で22/46例(47.8%)、傍恥骨結節法で20/47例(42.6%) 、超音波新法で42/46例(91.3%)閉鎖管が造影され、3群間で閉鎖管造影の成功率には有意差があった(P<0.001)。3群による多重比較では、閉鎖管造影成功率は、超音波新法群が古典法群や傍恥骨結節法群と比べて有意に高かった(P<0.001)。一方、古典法群と傍恥骨結節法群で閉鎖管造影成功率に差はなかった(P=1.000)。閉鎖管造影不成功例の内訳をみてみると、ブロック針が閉鎖管より遠位であったのが古典法群15例、傍恥骨結節法群8例であった。一方、外閉鎖筋による閉鎖管注入妨害が古典法群9例、傍恥骨結節法群19例、超音波新法群3例であった。古典群と傍恥骨結節法群における不成功例の内訳比較においてその比率には有意差がみられた(P=0.026)。術前と閉鎖神経ブロック終了後2時間での大腿内転筋力の中央値(範囲)はそれぞれ、115(90-195)mmHgと40(23-45)mmHgであった。
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