2018 Fiscal Year Research-status Report
メラトニンシグナルを標的とした新たな敗血症関連脳症治療法の確立
Project/Area Number |
17K11098
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
新山 修平 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (40258455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外角 直樹 久留米大学, 医学部, 講師 (60368884)
首藤 隆秀 久留米大学, 医学部, 講師 (70412541)
高須 修 久留米大学, 医学部, 教授 (90236216)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メラトニン / 敗血症 / 敗血症関連脳症 / 盲腸結紮穿孔モデル / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに我々は、従来の敗血症研究のモデル動物の欠点(腹腔内膿瘍形成)を克服した改良型新規マウスCLPモデルの作成に成功し、延命効果を示す化合物を探索してきた。 この一連の研究の中で、メラトニンが盲腸結紮穿孔(CLP)処置後の生存率を延長することを見出してきた。そこで、メラトニンが生存率を延長する分子機構を探索することを目的として研究を推進した。 CLP処置マウスから腹腔内マクロファージを分取し、サイトカインと酸化ストレス応答の遺伝子をReal-time PCR法で測定したところ、シャム群ではIL-1β、TNF-αの遺伝子発現上昇を認めた。酸化ストレス応答に関わる遺伝子では、Nrf-2 (NF-E2-related factor 2)遺伝子の発現低下を認めた。CLP処置後のIL-1β、TNF-α遺伝子発現に対するメラトニンの効果を検討したところ、メラトニンは腹腔内マクロファージでのIL-1β、TNF-α遺伝子発現を変化させないことがわかった。Nrf-2遺伝子発現に対するメラトニンの効果については現在検討中であるが、CLPの重症度を変化させると、Nrf-2遺伝子の発現が変動することも確かめられた。 昨年度はさらに全身の炎症の波及を調べるために肺組織でも同様にサイトカイン群としてメラトニン群はシャム群にくらべIL-1β、TNF-α遺伝子発現を抑制したことを確認した。現在中枢神経を含めたメラトニンのサイトカイン制御について検討を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度は研究所属機関を移籍したことにより新規実験開始に伴う諸手続きに時間を要したことで研究に一時的に大きな遅滞が生じた。また、移籍前の研究機関においても新たな動物実験センター建て替え等も重なり実験再開に若干の時間を要した。現在、それらの点は改善されており鋭意研究を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も共同研究者と密に連絡をとり遅滞の生じた研究を速やかに継続する。
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Causes of Carryover |
昨年度は研究所属機関を移籍したことにより新規実験開始に伴う諸手続きに時間を要したことで研究に一時的に大きな遅滞が生じた。現在、それらの点は改善されており鋭意研究を進めているところであり、2018年度に施行できなかった認知機能評価については2019年度に実施する。
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