2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation and clinical application of a novel method for preventing urolithiasis focusing on the antioxidant effect of estrogen
Project/Area Number |
17K11189
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
広瀬 真仁 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (70529172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
岡田 淳志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70444966)
濱本 周造 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (80551267)
海野 怜 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (40755683)
田口 和己 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (00595184)
戸澤 啓一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40264733)
郡 健二郎 名古屋市立大学, その他部局等, 学長 (30122047)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 尿路結石 / エストロゲン / 酸化ストレス / N-acetyl-L-Cysteine / オートファジー / mTOR |
Outline of Annual Research Achievements |
H31年度は、エストロゲンのNaAsO2誘導性腎障害増悪に関する逆説的な報告(Kimura A, et al. Toxicology. 2016)から、褐色脂肪細胞と抗酸化ストレスに的を絞った研究に移行した。 昨年の褐色脂肪細胞の報告(Sugino T, et al. Am J Physiol Renal Physiol. 2019)に続き、細胞傷害に関して研究を進めた。 In vitro研究では、尿細管細胞にシュウ酸カルシウム一水和物(COM)結晶を暴露し、炎症・酸化ストレス、細胞障害に関わる観察を行った。COM結晶の暴露時間に比例して、オートファジーが有意に低下し、IL-6やTNF-α発現が増加し、SOD-1発現は有意に低下した。さらにミトコンドリア由来の活性酸素種(ROS)を検出するMitoSOX染色で、結晶暴露でROSが有意に増加することを同定した。これに対し、エストロゲン欠乏(卵巣摘除)による骨塩減少を抑制できる報告がある抗酸化物質N-acetyl-L-Cysteine(NAC)の投与研究を行った。この結果、ROS制御がオートファジー上流の抑制系であるmTORシグナルが有意に抑えられることが判明した。 In vivo研究では、結石モデルの腎組織のIl-6やTNF-αの発現増加と、SOD-1発現低下を認め、ROS発生も有意に上昇した。NAC投与では、ROS低下とmTORシグナル抑制を通じオートファジーが更新し、細胞内の酸化ストレスが有意に抑制され、腎結石形成が有意に抑制された。 本研究は、直接的なエストロゲン投与でなく、女性の褐色細胞活性の優位性と抗酸化ストレスによるオートファジーの亢進に着眼した研究に移行し、それぞれに結果を得た。この成果は尿生化学のみを中心に評価される尿路結石予防に一石を投じるものであり、今後臨床研究へと繋げていきたい。
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Research Products
(6 results)