2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a new therapy for refractory ovarian cancer via liposomal nanoparticle targeting control of EMT
Project/Area Number |
17K11304
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
大道 正英 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10283764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 正美 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (00551748)
田中 良道 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10625502)
恒遠 啓示 大阪医科大学, 医学部, 講師 (70388255)
田辺 晃子 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70454543)
佐々木 浩 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80432491)
兪 史夏 大阪医科大学, 医学部, 非常勤医師 (80625674)
寺井 義人 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90278531)
田中 智人 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90411363)
藤原 聡枝 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90707960)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / EMT / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵巣癌は生存率が最も低い婦人科癌と言われるが、その理由として、当初抗癌剤に感受性を示しても次第に耐性を示す場合が多いことがあげられる。抗癌剤耐性獲得に関しては、強い自己複製能と腫瘍形成能をもつ癌幹細胞が関与していると考えられており近年注目されている。我々は癌幹細胞のマーカーの一つであるCD24が卵巣癌患者の予後不良に関与することを見出した。すなわち、卵巣癌病理組織におけるCD24発現の有無と治療予後を解析すると、CD24発現陽性卵巣癌患者ではCD24発現陰性患者と比較して有意に予後が不良であった。また、卵巣癌細胞株をCD24陽性分画と陰性分画に分けると、CD24陽性分画では、CD24陰性分画と比較してシスプラチン耐性能が亢進することが確認された。そこで、CD24陽性細胞を選択的に治療標的とする方法として、シスプラチンを内包し、外郭に抗CD24抗体を結合させた高分子ミセルを作成した。このミセルを卵巣癌腹膜播種モデルマウスに投与すると、外郭に抗CD24抗体を結合させていないシスプラチン高分子ミセル投与群と比べて有意に生存期間が延長した。そのメカニズムとして、上皮間葉形態転換(EMT)について検討したところ、抗CD24抗体結合CDDP内包高分子ミセル投与群では、E-cadherinの発現の有意な増強とSnailの有意な発現低下が認められた。このことから、抗CD24抗体を結合させたCDDP内包高分子ミセルは、卵巣癌においてEMTの抑制を介して抗腫瘍効果をもたらしうることが示され、新たな治療法となりうる可能性が示唆された。
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