2019 Fiscal Year Annual Research Report
Involvement of proinflammatory and anti-inflammatory mediators in the pathogenesis of sensorineural olfactory dysfunction
Project/Area Number |
17K11353
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 健二 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40334370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊田 周 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00555865)
有田 誠 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (80292952)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 鼻科学 / 嗅覚 / 炎症性メディエーター / 好酸球 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.嗅粘膜傷害・再生過程における好酸球の役割の解析 【対象と方法】2か月齢C57BL6雄マウスにメチマゾール投与による嗅神経傷害を惹起した。傷害後7日目に抗IL5中和抗体または生理食塩水を注射して好酸球を除去し、28日の時点で組織切片を作成、シリウスレッド染色と抗OMP抗体染色を用いて好酸球の浸潤と嗅神経上皮の組織再生を評価した。【結果】抗IL5抗体投与群では嗅粘膜組織への好酸球浸潤が認められず、抗IL5抗体は好酸球を効果的に除去していた。しかし同群の嗅神経上皮の組織再生は対照群と比較して差がなかった。【結果】前年度までの研究成果で好酸球は嗅神経細胞の再生期に特異的に嗅粘膜へ浸潤し、神経再生に関与している可能性があると考えられたが、本年度の実験ではこれを支持する結果が得られなかった。現在さらにTh2反応の上流のサイトカインであるIL4/13の阻害実験を施行中である。 2.マウス嗅粘膜傷害時の基底細胞動態にカロリー制限が与える影響の解析 【対象と方法】生後2ヶ月のC57BL6雄マウスの嗅粘膜切片を作成し、抗IL-6 受容体α、β抗体による免疫組織染色を行った。【結果】抗IL-6受容体α染色は粘膜下層のBowman腺に、抗IL-6受容体β抗体染色は嗅神経の神経束に反応が認められた。【結果】前年度までの研究結果でカロリー制限は嗅粘膜中のIL-6の発現を上昇させることが示されたが、本実験結果は上昇したIL-6が嗅神経の細胞動態に実際に影響を与える可能性を示している。 前年度までの研究成果を論文化し、Cell and Tissue Research誌に投稿、受理された。
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