2021 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research for clinical application of bFGF for prevention of muscle atrophy and muscle regeneration associated with vocal cord paralysis
Project/Area Number |
17K11378
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 多嘉緒 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20735930)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上羽 瑠美 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10597131)
二藤 隆春 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60334372) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 声帯麻痺 / bFGF / 再生効果 / 神経再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
声帯麻痺後の声帯筋の萎縮に対する治療法の確立のため、麻痺声帯の筋萎縮に対するbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)の局所投与による改善効果を検討した。 ラットの左反回神経を切断し、声帯麻痺モデルを作成した。麻痺後1日目(萎縮予防効果)または1か月目(萎縮再生効果)にbFGFを高用量2000μg単回注入した群と低用量200μg単回注入した群、control群(生食注入群)について検討した。注入時期によらず、注入後day28,56において高用量群では甲状披裂筋の断面積が健側比90%まで改善しており、麻痺声帯における甲状披裂筋の有意な筋再生効果が示された。低用量群では有意な再生効果が得られなかった。 続いて筋再生効果の機序に関し、筋芽細胞の賦活化と声帯筋における上喉頭神経等による再支配の可能性を検討した。Pax7+筋衛星細胞はday1、そしてMyoD+筋芽細胞はday7をピークに発現数が多く、それぞれで高用量群とコントロール群の間で有意差を認めた。また、bFGFの神経再生の作用についてもアセチルコリンレセプターとシナプトフィジンの二重染色より神経筋接合部の推移を検証した。麻痺後1日目および1か月目注入群について、day56において神経筋接合部数はbFGF投与群で、それぞれ健側の30%、90%程度に改善していた。 bFGF注入による筋再生効果の機序として、早期では筋衛星細胞の賦活化による効果が中心であり、その後注入1~2か月後では神経筋接合部数の増加により筋萎縮の再生効果が得られたと考えられた。神経再生効果により長期的にも再生効果が維持される可能性が示唆された。
|
Research Products
(1 results)