2017 Fiscal Year Research-status Report
神経芽腫に対する間葉系幹細胞を用いた腫瘍選択性ドラッグデリバリーシステムの開発
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17K11518
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
木村 幸積 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (00783408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 真弓 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10380453)
坂井 宏平 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30515292)
文野 誠久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (40405254)
田尻 達郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80304806)
青井 重善 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90308669)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経芽腫 / 間葉系幹細胞 / インターフェロン / MYCN-Tgマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景と目的】間葉系幹細胞(MSC)は、骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞などの間葉系の細胞への分化能や自己複製能を有し、さらに炎症や腫瘍に対する集積能を併せ持っていることが知られている.我々はこれまでに神経芽腫発生モデルマウス (MYCN-TgM)を用いてヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞(hMSC)の腹腔内投与による神経芽腫への腫瘍集積効果(homing effect)を確認した.現在さらなる応用としてマウス骨髄組織由来間葉系幹細胞(mMSC)の神経芽腫に対するhoming effectの解析・評価を行っている. 【方法】生後4週のMYCN-TgMに対して近赤外線蛍光色素で標識したGFP-mMSCの腹腔内投与(3×10 6 個/匹)を行った.生体内イメージングとしてIVIS Imaging System(IVIS)を用いて、投与直後から12時間まで経時的なmMSCの追跡をマウス生存下にて行った.その後、投与12時間後にMYCN-TgMを犠牲死させ、摘出した.腫瘍及び各臓器に対してhoming effectの解析を行った. 【結果】IVISにおいてmMSCが投与直後より時間経過とともに腫瘍部位へ移動していることが確認された.また、摘出した腫瘍においてGFP免疫染色において腫瘍内部にmMSCの集積を確認した. さらに、免疫組織化学染色において腫瘍上にmMSCの存在を確認した. 【展望】mMSCのマウス神経芽腫に対するhoming effectが腹腔内投与において認められた.さらにmMSCの抗腫瘍効果とドラッグデリバリーシステムとしての有効性の評価・解析のため,インターフェロン発現MSCを投与し,ELISAによる評価を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定どおり,現在IFNβ発現MSC投与を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
GFP+IFNベータ発現mMSC投与によるMYCN-TgMのIFNベータ組織濃度および生存曲線を,対照群と比較検討し,DDSとしての有効性について検討する. ①生後5週齢homo MYCN-TgMを18匹準備する.②前年度に作成し液体窒素に保存したGFP+IFNベータ発現mMSCを解凍し培養する.③IFNベータの発現をELISA(pbl assay science, VeriKineTM Mouse IFN Beta ELISA Kit)で確認する.④マウスを3群に分ける(各々n=6).A群:GFP+IFNベータ発現mMSC B群:無処置mMSC C群:PBSのみをそれぞれ尾静脈から投与する.それぞれの生存曲線を作成し比較検討する.
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Causes of Carryover |
平成29年度に使用したGFP-MSCについては,すでに作成されたものを学内の別の研究室から無償供与を受けることができたため,当初の見積もりよりも必要経費が少なくなった.平成30年度は,IFNべーた発現GFP-MSCの作成が必要なため,前年度に不要であった遺伝子導入に経費を使用する予定である.
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