2017 Fiscal Year Research-status Report
小児神経芽腫、腎芽腫におけるエキソソームによるリキッドバイオプシーと治療法の開発
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17K11524
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
上原 秀一郎 日本大学, 医学部, 准教授 (00448060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 清宏 日本大学, 医学部, 助教 (10455389)
川島 弘之 日本大学, 医学部, 助手 (60645703)
越永 從道 日本大学, 医学部, 教授 (70205376)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腎芽腫 / エキソソーム / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は第一段階として、細胞株を用いたエキソソームの回収とキャリアーとしての役割について検討するため、まずヒト神経芽腫細胞株(SK-N-SH、NB9、CHP134)、およびヒト腎芽腫細胞株(WT-CLS1)ヒトラブドイド腫瘍細胞株(G401)、ヒト胎生腎由来細胞株(293T) をin vitroにて培養した。次にExoQuick-TCTM試薬 (System Biosciences社) を使用し、それぞれの腫瘍細胞から分泌されたエキソソームを培養上清から回収した。 第2段階として、細胞株エキソソームからのmiRNAの抽出と次世代シーケンシングを用いたプロファイリングを行うため、第1段階で抽出したそれぞれの細胞株由来のエキソソームから、The Total exosome RNA and protein isolation kit (Invitrogen社)を用いて、RNAを抽出した。抽出したRNAのシーケンシングをDNAチップ研究所社に委託する予定であったが、エキソソームの精製度が不十分であったため、再度各細胞株からエキソソームを回収し、RNAを抽出した。 今後は抽出したRNAを精製したうえで、シークエンシングを委託する予定である。また、本年度で得られた結果と技術を臨床応用するため、各種細胞株を用いた腫瘍モデルマウスから血液や尿を採取し、形成された腫瘍より流出した特異的miRNAを、血液や尿中のサンプルを用いて、検出可能かを検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞株を用いたエキソソームの回収とキャリアーとしての役割について検討するため、ヒト神経芽腫細胞株、およびヒト腎芽腫細胞株、ヒトラブドイド腫瘍細胞株、ヒト胎生腎由来細胞株をin vitroにて培養した。 次にそれぞれの腫瘍細胞から分泌されたエキソソームを培養上清から回収した。 回収したエキソソームからRNAを抽出し、網羅的発現解析を外部委託する予定であったが、回収したエキソソームの精製度が不十分であり、再度各細胞株を培養した後、それぞれの細胞株からエキソソームを回収し、RNAを抽出する必要があったため計画よりやや遅れて進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は抽出したRNAを精製したうえで、シークエンシングを委託する予定である。 また、本年度で得られた結果と技術を臨床応用するため、各種細胞株を用いた腫瘍モデルマウスから血液や尿を採取し、形成された腫瘍より流出した特異的miRNAを、血液や尿中のサンプルを用いて検出可能か、バイオマーカーとしての可能性をを検討していく。 来年度以降ではエキソソームを免疫源として、樹状細胞療法を前提とした基礎的研究を行う。健常人末梢血から樹状細胞を作成する。細胞株由来のエキソソームを樹状細胞にパルスして、樹状細胞(DC)に腫瘍細胞由来のエキソソームを抗原提示させる。DCと健常人末梢血から抽出したCD8陽性T細胞をin vitroで共培養し、細胞株特異的なCD8陽性T細胞を作成する。51CrによるCTL assayを行い、樹状細胞の抗原提示能、およびCD8陽性T細胞のpriming能について検討を行う。 また動物実験で抗腫瘍効果の検証を行う予定である
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