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2018 Fiscal Year Research-status Report

脱分化脂肪細胞と凝固因子由来タンパク質を用いた新しいケロイド治療の開発

Research Project

Project/Area Number 17K11556
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

仲沢 弘明  日本大学, 医学部, 教授 (60180270)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 副島 一孝  日本大学, 医学部, 准教授 (00246589)
樫村 勉  日本大学, 医学部, 准教授 (20570740)
松本 太郎  日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
日だい 智明  日本大学, 医学部, 准教授 (70228732)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords線維増殖性疾患 / ケロイド / 被膜 / 凝固因子 / 第Ⅸ凝固因子由来上皮成長因子
Outline of Annual Research Achievements

平成31年度にヒトケロイド由来の組織を実験で使用予定である。平成30年度には、手術中に採取したヒトケロイド組織の研究利用のため、当施設の臨床研究倫理審査委員会での承認を受けた。ケロイド組織の採取のエントリーを開始した。
ケロイドや肥厚性瘢痕は、膠原線維の増殖が組織学的な特徴である。異物に対する被膜も同様の組織学的特徴を有し、これらは良性線維増殖性病変として類縁疾患と考えることができ、基礎データの蓄積のため前年度に引き続き以下の実験を行った。
ラットを用いた動物実験で異物に対する被膜を作成し、第Ⅸ凝固因子由来上皮成長因子(以下EGF-F9)による治療効果について検討を行った。前年度は、ラットの背部にシリコンシートを埋入と同時にPBSとEGF-F9を投与する群を作製し検討した。その結果、被膜形成の予防効果が得られることを明らかにした。平成30年度は、インプラントを4週間挿入し被膜を形成した後に、PBSをインプラントの表層の皮下組織に3回/週×4週間かけて注入する対照群と同様にEGF-F9を投与する群を作製した。シリコンシートの埋入後8週間で組織採取を行い評価した。EGF-F9により形成された被膜拘縮を治療し得るかを検討した。対照群で246.1±64.4μm、EGF-F9投与群で229.7±68.8μmの厚さの被膜がインプラントの周囲に形成された。対照群、投与群ともに4週間の留置よりも厚い被膜が形成されていた。しかしながら、対照群と投与群で被膜の厚さには有意差を認めなかった。また、組織学的にも差異を認めなかった。EGF-F9には、線維増殖性疾患に対して一定の予防効果があるものの、完成された線維増殖性疾患の病態への治療効果は乏しいことが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

インプラント挿入モデルを利用した線維増殖性疾患に関する検討を行ってきた。第Ⅸ凝固因子由来上皮成長因子(EGF-F9)を使用した検討を行っている。線維成分が形成されるのと同時期にEGF-F9の投与を行うことで、薄い被膜が形成されることが明らかとなり、線維増殖性疾患に対して一定の予防効果が得られることが示唆された。一方で、線維成分が形成された後のEGF-F9の投与では、対照群と比較して被膜の厚さに有意差を認めず、治療効果は乏しいことが示唆された。このモデルで脱分化脂肪細胞を使用した実験を予定しているため、細胞の調製を進めている。
ケロイド組織を用いた実験を計画している。ケロイドは、動物実験での再現が困難であるため、ヒトからの組織の提供が必要となる。ケロイド患者の切除手術の際に得られた切除検体の一部を使用するため、臨床研究倫理審査委員会の審査と承認を受けた。手術検体の提供に関して協力者のエントリーを開始した。平成31年度よりケロイド組織を利用した実験が開始できる見込みとなった。

Strategy for Future Research Activity

これまでに行ってきた被膜に関する実験について、脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いた検討を予定している。第Ⅸ凝固因子由来上皮成長因子(EGF-F9)の実験と同様に、ラットの背部に埋入したシリコンシートの周囲の被膜形成の時期にDFATを投与し予防効果について検討する実験と被膜が形成された後にDFATを投与する治療効果について検討する実験を予定している。いずれも被膜の厚さなど組織学的検討を行い、線維増殖性疾患の治療への基礎データとしたい。
ケロイド患者からの組織採取と実験を開始する予定である。ケロイド患者の手術検体よりケロイド組織の一部の提供を受け、凍結保存を行う。実験に使用するのに十分な検体数が確保できたら、DFAT及びEGF-F9を用いたin vitroおよびin vivoでの実験を予定している。in vitroの実験としてヒト由来ケロイド線維芽細胞とDFAT/EGF-F9の共培養を行う。共培養後に、細胞数・ケロイド発現に関与する遺伝子の発現・サイトカインの評価を行い、DFAT/EGF-F9のヒト由来ケロイド線維芽細胞に対する影響を評価する。in vivoの実験としてヒトケロイド組織を移植した免疫不全マウスへのDFAT/EGF-F9の作用についての検討を行う。免疫不全マウスの背部に作製した皮下ポケット内に、ヒトケロイド組織を移植した後に、DFAT/EGF-F9の投与を行いケロイドの形態および組織学的変化を評価する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2018

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] 第9凝固因子由来上皮成長因子(EGF-F9)による被膜拘縮の予防効果についての検討2018

    • Author(s)
      樫村 勉, 長崎敬仁, 竹田昌平, 吉田栄香, 吉田光徳, 副島一孝, 菊池雄二, 仲沢弘明
    • Organizer
      第27回日本形成外科学会基礎学術集会
  • [Presentation] Effect of The First Epidermal Growth Factor (EGF) Motif of Coagulation Factor 9 (EGF-F9) on Capsular Formation Around Silicone Implants.2018

    • Author(s)
      Kashimura T, Hidai C, Soejima K, Kikuchi Y, Nakazawa H
    • Organizer
      American Society of Plastic Surgery The Meeting,
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 第9凝固因子由来上皮成長因子による繊維増殖性疾患の治療の検討2018

    • Author(s)
      樫村 勉, 長崎敬仁, 竹田昌平, 吉田栄香, 吉田光徳, 副島一孝, 菊池雄二, 仲沢弘明
    • Organizer
      第2回城北形成外科懇話会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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