2018 Fiscal Year Research-status Report
継続的rSO2計測に基づいたテーラーメード型心肺停止後ケアの開発
Project/Area Number |
17K11603
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
西山 慶 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 展開医療研究部, 研究員 (90447970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 薫 京都大学, 医学研究科, 教授 (10267164)
鵜木 崇 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (00650491) [Withdrawn]
下戸 学 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (80548412)
大鶴 繁 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60437225)
趙 晃済 京都大学, 医学研究科, 講師 (00706707)
柚木 知之 京都大学, 医学研究科, 助教 (50639094)
篠塚 健 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (50806594)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 心肺蘇生 / 集中治療「 |
Outline of Annual Research Achievements |
実施した研究解析として、J-POP registryのサブ解析を行い、経皮経管的人工心肺装置を用いた心肺蘇生法(Extracorporeal Cardiopulmonary Resuscitation, E-CPR)を用いた121症例の評価解析を行った。 経皮経管的人工心肺装置を用いた心肺蘇生法を実施した121症例のうち、90日後の神経学的予後良好群である11名において、来院時のrSO2値は有意に高い(中央値、95%CI: 28 [17-52] vs 15 [15-22], P=0.001)傾向が認められた。 90日後の神経学的予後良好に対するROC解析ではAUC (95%CI)は0.76 (0.61-0.91)、 Optimal cut-off値は17%、 Sensitivity(95%CI)は0.82 (0.52-0.95) 、Specificity(95%CI)は0.66 (0.57-0.75)であった。 来院時のrSO2値が15%であっ74名の90日後の予後良好である確率は3%(2名)であったのに比し、16%以上であった47名は19%(9名)であった(p=0.002)。 これらの解析から、経皮経管的人工心肺装置を用いた心肺蘇生法を実施した患者の90日後の神経学的予後はrSO2値により大きく異なっていることが示され、rSO2値に基づいたテーラーメイド型のクリティカルケアの有用性が示唆された。 以上の結果を米国集中治療学会(2019.2、サンディエゴ)にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的はrSO2値による心肺停止後のクリティカルケアの開発であるが、経皮経管的人工心肺装置を用いた心肺蘇生法のような先進的な心肺蘇生法、体温管理療法に代表される蘇生後ケアについてrSO2値との関連性を示す解析がまとまりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として以下の二点を挙げる。まずは救急車内でのrSO2値の継続的な計測データと救急外来到着時のrSO2値の計測データとの統合を目指し、これらを総合的に評価する方法論を開発することを目指す。続いて、経皮経管的人工心肺装置を用いた心肺蘇生法のような先進的な心肺蘇生法、体温管理療法に代表される蘇生後ケアについてその適応や方法論をこれらのrSO2値を用いてより精度を高めることができないかさらに評価を進めていく。特に体温管理療法については至適目標体温について議論があるところであるが、その治療戦略においてはいかに低酸素脳症に伴う脳障害の重症度を急性期に評価するが鍵となっており、rSO2値との関係性に対して重点的に解析を進めていく予定である。研究の最終年として、これらの知見をまとめ上げ、論文化を目指していく。
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Causes of Carryover |
救急車内と救急外来でのrSO2値の統合に時間を要し、解析が次年度に持ち越しとなったため、次年度使用額が生じた。 次年度に解析を行い使用する予定である。
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Research Products
(5 results)