2018 Fiscal Year Research-status Report
骨芽細胞の一次繊毛を介したメカニカルストレス応答の分子機構解明
Project/Area Number |
17K11639
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
柿原 嘉人 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40379938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 万騎男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30273692)
加来 賢 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30547542)
鍵和田 晴美 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (40443204)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Pontin / Reptin / メカニカルストレス / 一次繊毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨芽細胞や骨細胞の一次繊毛は、メカニカルストレスを感知するセンサーとしての役割を持つことが明らかになりつつあるが、そのメカニズムの解明には至っていない。申請者らは、ストレス応答性シャペロンPontin-Reptinがどのようにメカニカルストレス応答に関わるのか、またメカニカルストレス応答を制御する薬剤の探索とそのメカニズムについて解析を行っている。昨年度の結果より、質量分析によってRontin-Reptinの相互作用因子が網羅的に同定され、本年度は、Pontin-ReptinがPIH1D1, RPAP3, TELO2と複合体を形成していることをウェスタンブロット解析にて確認した。siRNAノックダウン実験により、Pontinタンパク質レベルの減少は、Reptinタンパク質の減少を引き起こし、またその逆の効果も見られたことから、PontinとReptinは互いにタンパク質レベルで安定化していることが示唆された。さらに、PIH1D1,RPAP3,TELO2のノックダウンを行ったところ、RPAP3以外については増殖能の低下が見られた。Pontin-Reptinのメカニカルストレス下におけるin vivoでの挙動について、過剰咬合ストレスモデルでは結果の再現性を得ることが困難であったため、矯正学的な歯の移動モデルを構築し、圧迫側と牽引側における局在と発現解析を免疫組織染色によって行っている。また、メカニカルストレスを制御する薬剤の探索の結果、いくつかのキナーゼの阻害剤が一次繊毛形成を促進したことから、それらの薬剤の作用機序について調べるため網羅的なシグナル伝達経路解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、R2TP-TEL02複合体の同定と共に、新規な標的因子を見出すことができ、新しい展開が期待される結果が得られている。in vivoメカニカルストレスの解析については、過剰咬合ストレスモデルを検討したが再現性が得られなかったため、矯正学的な歯の移動モデルの立ち上げを行ったが、スムーズに行うことができた。さらに、薬剤スクリーニングにおいては、一次繊毛形成を促進する化合物を単離できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新規に同定されたR2TP-TEL02複合体のいくつかの標的因子について、タンパク質レベルで解析を進める。それらの標的因子が一次繊毛形成のどの過程に関わるのか、さらにR2TP-TELO2がその標的因子に対して、どのような役割を担っているのかについて分子生物学的解析を行っていく。また、PontinもしくはReptinのノックアウトマウスの作成を継続して行い、顎顔面領域の骨形態について表現型解析を行う。さらに、矯正学的歯の移動モデルを用いて、歯根部の圧迫側と牽引側におけるメカニカルストレス応答についてR2TP-TELO2の免疫組織学的解析を行う。低分子化合物の網羅的スクリーニングによって得られた一次繊毛形成促進剤に関しては、どのシグナル伝達経路に作用しているのかについて探索を行い、その作用機序を明らかにする。
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[Journal Article] Bmp signaling in molar cusp formation2019
Author(s)
Meguro Fumiya、Porntaveetus Thantrira、Kawasaki Maiko、Kawasaki Katsushige、Yamada Akane、Kakihara Yoshito、Saeki Makio、Tabeta Koichi、Kessler John A.、Maeda Takeyasu、Ohazama Atsushi
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Journal Title
Gene Expression Patterns
Volume: 32
Pages: 67~71
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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