2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new sulfide adsorption micro-porous ceramics with halitosis inhibition and periodontal disease attenuation ability
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17K11722
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
堀田 正人 朝日大学, その他部局等, 教授 (10157042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横川 善之 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (20358310)
川木 晴美 朝日大学, 歯学部, 准教授 (70513670)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口臭 / 揮発性硫黄化合物 / 亜鉛置換ハイドロタルサイト / 吸着 / 抗菌効果 / 歯周病関連細菌 / 硫化水素濃度 / 層状複水酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
口臭の主要原因物質である揮発性硫黄化合物は細胞組織に対する毒性が強く、歯周病増悪因子として報告されている。そこで、申請者らは抗菌・解毒作用を有し、揮発性硫黄化合物を吸着する亜鉛含有の層状複水酸化物(ZnHDT)を合成し、揮発性硫黄化合物の除去能と歯周病減弱作用等を多面的に実証することを目的として研究を行った。実験には歯周病関連菌である偏性嫌気性菌のFusobacterium nucleatum ATCC25586(F.nucleatum)、 Porphyromonas gingivalis ATCC 33277、Prevotella intermedia ATCC 25611、Streptococcus mutans ATCC 25175を用いて、供試菌培養下におけるZnHDTを混入した場合の硫化水素濃度をガスクロマトグラフで測定し、硫化水素産生量を抑制する効果とF.nucleatumに対する増殖度からZnHDTに抗菌作用があるかどうかを検討した. その結果、各種供試菌の硫化水素濃度の経時的変化から、各菌液ともに硫化水素の産生を認めたが、最も硫化水素を産生したのは、 F.nucleatumであった。そのF.nucleatumにZnHDTを混入した試料の硫化水素濃度の経時的変化から、ZnHDTは2時間後では硫化水素が検出されなくなった。さらに、ZnHDTのF.nucleatumの発育に与える影響の検討から、ZnHDT混入菌液のCFU(コロニー形成単位)においてもコロニー数の低下を認めた。 以上のことから, F.nucleatumが産生した硫化水素濃度の著しい低下は、ZnHDTの硫化物に対する吸着性によるものと細菌の増殖を抑制する作用によることが示唆され、歯科臨床への応用が可能であると思われた。
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