2017 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージをターゲットにしたBRONJ発症機序の解明と治療法の開発
Project/Area Number |
17K11822
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 明 北海道大学, 大学病院, 講師 (90271684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南川 元 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (70625607)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 歯学 / ビスフォスフォネート関連顎骨壊死 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビスフォスフォネート製剤の副作用によって引き起こされるビスフォスフォネート関連顎骨壊死(BRONJ)については、発症機序に関して幾つかの仮説が提唱されているが、現在においても十分に解明されていない。本研究ではモデルマウスを用いて、マクロファージの機能に焦点を絞り、BRONJ発症機序について検討を行った。 4週齢の雌マウスを(1)生理食塩水投与(VC群)、(2)ゾレドロン酸投与(ZOL群)、(3)メルファラン投与(MEL群)、(4) ZOLおよびMEL投与(ZOL/MEL群)の4群に分けた。すべての薬剤は週2回、5週間、腹腔内に投与した。薬剤投与開始5週後に全身麻酔下で上顎右側第一臼歯の抜歯を行った。抜歯から2週間後に炭酸ガスにて安楽死させ、各種の解析を行った。顎骨は脱灰後パラフィン包埋を行い、切片を作成し、HE染色にて形態学的評価を行った。 VC群、ZOL群およびMEL群の全てのマウスにおいて、抜歯窩は口腔粘膜上皮で被覆されていた。一方、ZOL/MEL群では約半数のマウスで抜歯窩に顎骨露出が認められた。HE染色による組織学的観察の結果では、VC群およびZOL与群では、抜歯窩に新生骨が確認されたが、MEL群およびZOL/MEL群では、抜歯窩には新生骨が僅かに確認される程度であった。さらにVC群およびZOL群、MEL群では、抜歯窩周囲のすべての骨小腔内に骨細胞が残存していたのに対して、ZOL/MEL群の抜歯窩周囲骨では骨細胞の消失が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿って順調に研究が進んでいる。今年度の実験を継続することでさらなる成果を上げられる可能性があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
腹腔内から腹腔マクロファージを回収し、各種抗体でマクロファージ分画の解析を行う。また、血清はELIS法によりIL-4、IL-13、INF-γ、TNF-αなどサイトカイン量の測定を行い、免疫細胞との関連性について考察する。これらの結果より、マクロファージの機能に焦点を絞ったBRONJ発症機序を明らかすることが可能になると考える。
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Causes of Carryover |
物品費(消耗品費)においてキャンペーン品や特別価格などがあり、当初予定額より支出が抑えられ、経費の節約ができ、次年度使用額が生じた。 経費の節約により生じた未使用額141,669円については、今年度の物品費(消耗品費)の購入に使用する。
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