2021 Fiscal Year Annual Research Report
Intravenous sedation using dexmedetomidine and propofol for less respiratory depression and prolonged emergence
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17K11906
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
花本 博 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (50397733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 均 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30218250)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | デクスメデトミジン / プロポフォール / 静脈内鎮静 / 回復時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
静脈内鎮静法では、プロポフォール(PROP)、ミダゾラム(MDZ)、デクスメデトミジン(DEX)のうち2剤を併用する場合が多い。先行研究により、DEX使用時には処置中の患者の体動が減少することが明らかとなったが、鎮静状態からの回復に要する時間が延長する傾向を認めた。本研究では、DEXとPROPによる鎮静法とDEXとMDZによる鎮静法において、鎮静状態からの回復時間、呼吸抑制、および処置中の患者の体動等を比較した。 歯科治療のために静脈内鎮静が必要な患者54名を対象とし、DEXとPROPによる鎮静群(DEX+PROP群)とDEXとMDZによる鎮静群(DEX+MDZ群)の2群間並行前向きランダム化比較試験を実施した。DEX+PROP群ではDEXを初期負荷投与のみで中止し、PROPの持続投与により鎮静状態を維持した。主要評価項目の回復時間は、鎮静薬投与終了からロンベルグテスト可能となるまでの時間とした。処置中の患者の体動の有無、呼吸・循環動態等も評価した。 DEX+PROP群27名、DEX+MDZ群27名が解析対象となり、患者背景と処置内容について両群間の有意差を認めなかった。鎮静薬投与終了からロンベルグテスト可能となるまでの時間は、DEX+PEOP群で有意に短かった(P<0.001)。また、処置中の患者の体動の有無について両群間に有意差は認められなかった。 DEXの血中消失半減期が比較的長いことが、回復時間延長に関与すると考えられた。今回DEX+PROP群ではDEXを初期負荷のみ投与することにより、処置終了時まで持続投与した場合と比較して回復に要する時間を短縮可能であったと考えられた。また、DEXの維持投与を行わない場合にも、処置中の患者の体動は増えなかった。DEXとPROPによる静脈内鎮静法では、患者の不要な術中体動を増加させず、回復時間を早めることができた。
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