2017 Fiscal Year Research-status Report
Understanding of tooth morphogenesis by studying supernumerary teeth
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17K11957
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
齊藤 陽子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30404487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 一誠 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90404540)
大峡 淳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
佐藤 正宏 鹿児島大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30287099)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 過剰歯 / 歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究対象である過剰歯を精査する際、分子生物学的手法と形態学的手法を用いることを計画し、まずは形態学的アプローチとしてマイクロCTによる解析を行った。解析に際し、従来のソフトでは摘出した過剰歯を丸ごと解析するという方法を取らざるを得ず、過剰歯の咬頭の有無を判定する際に外形からの判断が先行してしまう傾向にあり、咬頭などの歯冠形態と歯髄腔の形態を連動して検索する事が困難であった。本課題での形態学的解析においては外形よりもむしろ過剰歯の内部構造を主体に解析することが重要になると考え、解析に必要となる部分、すなわち、歯髄腔のみを硬組織構造より分離、抽出することが解析の第一段階になることが判明した。 そこで既に所有していた研究機器であるマイクロCTに付随していたソフトではなく、解析に有利なソフトの使用を再検討した。従来より骨の形態計測に使用されているソフトであるAnalyze 12.0(Analyze Direct社)を本研究に応用することで解析を試みたところ、歯髄腔のみを分離・抽出することに成功した。したがって今後は、外形から見る歯冠・歯根の形態に加え、歯髄腔の形態も解析することが可能となり、形態学的解析精度が大きく向上すると考えられる。 一方、分子生物学的アプローチに関しては河本法を用いることを計画していたが、河本法は骨で使用される事が多く、抜去歯、それもヒトの抜去歯のような大きいサンプルへの応用例は少ない。そこで、ヒトの新鮮第3大臼歯への応用を試み、成功した。これにより、今後、顕微鏡下で組織切片を観察しながら標的となる組織をレーザーマイクロダイセクション、RNA抽出、マイクロアレイ等を用いて遺伝子発現を検索し、さらにRT-PCRでの解析やinsitu hybridization、免疫染色等の手法を用いてその発現部位を組織学的に検討する道筋が可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
この研究課題には、前歯部付近における複数の咬頭を有する過剰歯や、臼歯部付近における単一の咬頭を有する過剰歯の存在が必要となる。さらに、細胞獲得のために、萌出前で形成途中の過剰歯、または抜歯の際の損傷の少ない過剰歯ということが条件となる。しかし今年度は、そのような条件に合致する過剰歯が少なく、予定のサンプル数を習得できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプルの獲得が進捗状況の大きな鍵となるため、今後は口腔外科など他科にも協力を求め、採取範囲を広げることで十分なサンプル数の獲得に努める。
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Causes of Carryover |
年度終期に今後解析に使用予定である遠心機の不具合が発覚し購入を検討したが、納期の問題で今年度中の購入には至らなかった。すでに発注依頼しており、次年度(平成30年)の7月頃に納入される予定であり、その際に使用する。
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