2019 Fiscal Year Annual Research Report
Maternal periodontal disease induce fetal failure and postnatal glucose intolerance
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17K11982
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
片桐 さやか 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60510352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 宏和 佐賀大学, 医学部, 講師 (20607783)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 歯周病 / 妊娠 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は早産・低体重児出産にも影響を及ぼすと考えられているが、近年、早産・低体重で生まれた子は、その後の成長で急激な体重増加がおこり、将来的に耐糖能異常、脂質代謝異常、そして糖尿病を発症するリスクが高いことが報告されている。すなわち、歯周病の存在は、母胎に影響し低体重児の出産を引き起こすだけでなく、その子の成長後の糖尿病の発症にも影響をおよぼす可能性があるといえる。 私たちはこれまでに、東京医科歯科大学大学周産女性診療科を受診中の患者に対して口腔内の状態と出産結果との関連を調べた。その結果、早産の妊婦から代表的な歯周病原細菌であるPorphyromonus gingivalis が有意に高い頻度で検出されたこと、また歯周病原細菌に対する抗体のひとつが習慣性流産・血栓症を引き起こす抗リン脂質抗体症候群に類似した症状を引き起こす可能性を報告した。 また、歯周病が妊娠プラグの確認された日を妊娠0日として、培養した特定の濃度のP. gingivalisを静脈注射することにより、歯周病原細菌感染低体重児出産モデルマウスを作製した。このモデルマウスでは、胎盤の形成が正常出産マウスと異なることを報告した。 ヒトを対象とした疫学研究では、歯周病原細菌の感染と肝臓の炎症・繊維化、および血糖コントロールとに関連がみられることを見いだした。さらにその結果に基づきマウスを用いた研究を行い、歯周病原細菌の感染が肝臓の脂質合成を亢進させること、また耐糖能異常およびインスリン抵抗性が引き起こされることも報告した。
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