2018 Fiscal Year Research-status Report
全身の健康増進に寄与する口腔保健のエビデンス創出:ランダム化並行群間比較試験
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17K12031
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
岡田 彩子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (60515584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 貴俊 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10313529)
MATIN KHAIRUL 鶴見大学, 歯学部, 寄附講座教授 (00372433)
有吉 芽生 鶴見大学, 歯学部, 臨床助手 (20516299)
野村 義明 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (90350587)
花田 信弘 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70180916)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非対称性ジメチルアルギニン / 口腔保健管理 / ランダム化並行群間比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔の健康と全身の健康の相関性が言われて久しいが、口腔の健康増進が全身の健康増進に寄与するという因果関係を示すエビデンスは極めて限られている。「口腔の健康」を保健医療施策の中で確固たる位置づけにするには、エビデンスレベルの高い研究デザインによって、その成果を蓄積することが大切である。 本研究は、血管内皮細胞の機能に焦点を当て、「口腔の健康増進が全身の健康増進に寄与する」という因果関係を示すエビデンスをランダム化並行群間比較試験によって作りだすことを目的としている。さらに血管内皮細胞の機能評価である「血流依存性血管拡張反応検査(Flow Mediated Dilation ; FMD)」に加えて非対称性ジメチルアルギニン(Asymmetric dimethylarginine; ADMA)の歯科での有用性を示す。 初年度はインターネットや広報誌で募集した中等度までの歯周病罹患被験者110名に対してランダム化並行群間比較試験を行った。介入項目は、90日間の3DS(dental drug delivery system)による除菌である。主要評価項目は、血管内皮機能(ADMA解析およびFMD測定)、副次的評価項目は、臨床所見(歯式、歯周ポケット深さ、プロービング時出血)、歯周ポケット内プラーク中の細菌の質的・量的分布および炎症性マーカーを採用した。 今年度は介入前後で得られた口腔診査(歯式、歯周ポケット深さ、プロービング時出血)およびFMDの値の結果について記述統計を行った。さらにADMAを含む各種マ-カ-については血液生化学検査を外部委託し、データを収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インターネットや広報誌で募集した中等度までの歯周病罹患被験者110名を対象に行ったランダム化並行群間比較試験の結果を収集し、分析を行っている段階である。主要評価項目であるADMAを含む各種マ-カ-については血液生化学検査を外部委託し、データを収集を完了した。副次的評価項目である口腔診査(歯式、歯周ポケット深さ、プロービング時出血)およびFMDの値の結果について記述統計を行った。現在は歯周ポケット内プラーク中の細菌のDNA抽出を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床試験によって得られた介入前後の各サンプルについて解析を順次進めていく。得られたデータについては、個人識別管理を行い、対応表を有する匿名化を行うことにより、研究者等に被験者の特定ができないようにして管理する。匿名化したデ-タのみを使用し、統計解析を行う。その結果から口腔の健康状態と血管内皮機能との因果関係を分析し、さらにFMDとADMAとの相関についても検証する。
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Causes of Carryover |
細菌解析に使用する器材に不具合が生じた結果、修理に時間がかかり、一部次年度に持ち越すことになったため、次年度使用額が生じた。翌年度分として請求する助成金と合わせて、細菌解析に使用する計画である。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Visiting rate of dental clinic by the recommendation based on the periodontal screening tests for the patients with diabetes mellitus2018
Author(s)
Okada A, Kato M, Kato N, Nomura C, Shirahashi T, Kotoh M, Yabuki Y, Matsuyama T, Hanamura H, Takase N, Yokota K, Nomura Y and Hanada N
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Journal Title
Asian Pac J Dent
Volume: 18
Pages: 1-5
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Transparency in Random Allocation in a Randomized Clinical Trial; Effectiveness of Periodontal Health Improvement on Vascular Endothelial Function2018
Author(s)
A. OKADA, T. MURATA, M. ARIYOSHI, R. OTSUKA, M. YAMASHITA, M. KOSAKA, M. SUZUKI, K. TATENO, R. WAKIYAMA, T. MIZUKAKI, A. IMAMURA, H. UEMATSU, H. AOYAGI, M. SUZUKI, T. SATO, H. KAWAHARA, K. MATIN, N. HANADA
Organizer
the 66th Annual meeting of JADR
Int'l Joint Research
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[Presentation] 喫煙者の口腔ケアと歯周組織の健康状態との関連性について2018
Author(s)
岡田彩子, 村田貴俊, 有吉芽生, 大塚良子, 山下万美子, 鈴木恵, 青柳ひとみ, 植松裕美, 今村安芸子, 佐藤勉, マティン カイルール , 花田信弘
Organizer
第67回日本口腔衛生学会・総会
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[Presentation] 血管内皮機能に対する歯周組織健康状態改善の有効性評価 ランダム化並行群間比較試験(第一報)2018
Author(s)
有吉芽生, 村田貴俊, 岡田彩子, 大塚良子, 山下万美子, 鈴木恵, 青柳ひとみ, 植松裕美, 今村安芸子, 佐藤勉, マティン カイルール, 花田信弘
Organizer
第67回日本口腔衛生学会・総会
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[Presentation] がん治療周術期における口腔内環境の変化 1症例報告(第2報)2018
Author(s)
大塚良子, 今井奬, 岡田彩子, 有吉芽生, 菊地朋宏, 宮之原真由, 曽我部薫, 村田貴俊, マティン カイルール , 野村義明, 花田信弘, 桃井保子, 熊谷崇
Organizer
第67回日本口腔衛生学会・総会
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[Presentation] 糖尿病患者の唾液ヘモグロビン測定は歯科診療所との診療連携に有用である2018
Author(s)
加藤光敏, 野村義明, 岡田彩子, 花田信弘, 横田邦信, 筒井健介, 山下滋雄, 酒井久美子, 森川よし子, 金村幸枝, 大石和子, 斎藤杏子, 加藤則子
Organizer
第61回日本糖尿病学会年次学術集会