2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12041
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小野 和宏 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40224266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 誠 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00303131)
真柄 仁 新潟大学, 医歯学総合病院, その他 (90452060)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 歯科 / 嚥下障害 / 高齢者 / 舌圧 / 舌骨筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
摂食嚥下機能に関連した加齢変化や病態像のひとつに舌骨喉頭下垂があり,舌骨の位置と嚥下機能との関連が報告されているが,両者の関係を定量的に求めた研究は非常に少ない.申請者らのこれまでの研究でも,嚥下障害患者では,随意性嚥下開始から嚥下反射惹起までの時間が延長することで嚥下時の運動と食塊位置のバランスが崩れることが誤嚥のリスクを高める可能性があることを報告してきた(真柄ら,2014).しかし,正確な病態把握のためには,VF画像を用いるだけでなく,筋電図や口腔・咽頭内圧などの他のパラメータを含めた多角的アプローチを行うこと,被験者ごとに舌骨・喉頭位などの形態的位置と嚥下機能との関係を考慮し,さらに年齢・原因疾患別に機能と形態の関係性を明らかにする必要がある. 本年度は,被曝などの侵襲を伴う記録の前に,まずは舌骨運動に関連の深い舌骨筋の筋電図ならびに舌骨運動とともに嚥下運動の中心となる舌運動の関係を求める目的でこれらの同時記録を行う環境整備と予備実験を行った.舌運動の主体は舌筋であるが,舌が舌骨上に位置していることから,舌圧と舌骨筋活動を同時記録して両者の関係を調べることは,舌骨筋が舌運動に果たす役割を知る上でも非常に重要である.その結果,舌圧の低下は舌骨筋量の低下と周波数の減少(疲労)に深くかかわることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
舌骨運動に関連の深い舌骨筋の筋電図ならびに舌骨運動とともに嚥下運動の中心となる舌運動の関係を求める目的でこれらの同時記録を行う環境整備を終えた. さらに,予備実験を行い,これまでの報告とは異なり,舌圧の低下は舌骨筋量の低下と周波数の減少(疲労)に深くかかわることが明らかとなった.これらの結果は,舌運動や舌圧発揮にとっての舌骨筋の働きの重要性を示唆するものである.
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Strategy for Future Research Activity |
実験実施のための環境整備を終えたことから,今年度は,舌圧,舌骨筋筋電図,VFの同時記録により,舌骨運動に関わる各要素(舌筋,舌骨筋など)の役割を明らかにする. 健常若年者ならびに高齢者を対象として,種々の食品摂取,随意的な顎口腔顔面運動時の舌圧,筋電図,舌骨運動のトレースを行う.
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Causes of Carryover |
VFとの同時記録開始前の環境整備に時間を要し,本実験を開始するに至らなかったため,必要な消耗品等の購入が遅れた.
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Research Products
(3 results)