2017 Fiscal Year Research-status Report
神経筋疾患の嚥下障害が栄養障害に及ぼす影響に関する研究
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17K12069
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
梅本 丈二 福岡大学, 医学部, 講師 (30320287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 伸助 福岡大学, 医学部, 助教 (20735584)
坪井 義夫 福岡大学, 医学部, 教授 (90291822)
古谷 博和 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (60253415)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経筋疾患 / 嚥下障害 / 服薬状況 / 栄養障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】在宅のパーキンソン病(PD)患者を対象に嚥下障害、服薬状況、栄養障害の実態を明らかにする目的で調査を行った。 【方法】PD友の会福岡県支部会員のPD患者で、支部総会に参加した35名を対象とした。PDの運動症状(UPDRS part3)と薬物療法の奏功状態(wearing-offやon-offの有無)、PDのスクリーニング嚥下障害質問票(SDQ)、抗PD薬の内容や内服状況、食形態や増粘剤使用、嚥下機能と口腔衛生状態(改訂水飲みテスト、舌圧、口腔内細菌数)などについて調査した。 【結果】参加者のうち、軟飯食1名、きざみ食2名以外は普通食摂取であり、水分への増粘剤使用者は2名であった。また、改訂水飲みテスト陽性者は15%、薬の嚥下困難感や咽頭部での停滞感を自覚する者はそれぞれ48%と31%であった。UPDRS part3とSDQのスコア間には有意な相関関係が認められた(R=0.497、p=0.016)。薬の嚥下困難感や咽頭部での停滞感を自覚する者の方がSDQのスコアは高かった(p<0.05、p<0.01)。さらに、薬の嚥下困難感を自覚する者の方が高率でwearing-offやon-offが(p<0.01)、咽頭部での停滞感を自覚する者の方が高率でwearing-offが認められた(p<0.05)。 【考察】多くの患者は普通食摂取で、増粘剤を使用していないPD患者であったが、薬の嚥下困難感や咽頭部での停滞感を自覚する者が一定数認められた。運動機能の低下、wearing-offやon-offの出現、嚥下障害の進行、薬の服薬困難が相互に関連している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
二重標識水の使用に関する倫理委員会の審査が、国立病院機構大牟田病院では完了したが、福岡大学病院ではまだ完了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年5月には二重標識水の使用に関する福岡大学病院での倫理委員会の審査が完了し、研究開始ができる予定である。
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Causes of Carryover |
二重標識水を用いた研究が開始されていないため、解析費が発生しなかったため。
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Research Products
(3 results)