2018 Fiscal Year Research-status Report
質の高い口腔ケア技術獲得に資する現実適合性の高いモバイルシミュレータの開発と検証
Project/Area Number |
17K12082
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
今井 宏美 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (00369406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河部 房子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (00251843)
椿 祥子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (10604861)
麻賀 多美代 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (30165691)
木村 亜由美 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (30814066)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口腔ケア / 口腔清掃 / 自己学習 / PCR / ブラッシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、限られた学習時間において、脆弱な口腔内の清掃技術の習得を可能にする教育方略を確立するため、新たな教育教材を開発し、その有用性を明らかにすることを目的とし、今年度は下記の研究実績を得た。 (1)モバイルシミュレータの改良:試作したモバイルシミュレータについて改良を行った。動揺歯の動揺を大きくすると共に、頬側の歯肉は歯茎から頬への移行部のコントラストを強めた形状にした。また、小帯形状も付与したことにより、頬側はブラシの先端が歯茎と頬の移行部で行き止る感覚を再現した。また、舌側は模型歯のベースと歯肉の境界をぼかした形状にしたことで、ブラシの先端が舌下に潜り込む感覚を再現した。これらにより、頬側と舌側の違い等の口腔内の環境をイメージさせる再現性の高い形状となった。 (2)モバイルシミュレータの学習効果の検証:歯科衛生士養成教育機関等で用いられている既存の高性能実習用模型(以下「実習用模型」)と比較することで、口腔清掃の技術習得のための自己学習教材としての可能性を検証した。①磨き残しの目安となるPCRスコアは、モバイルシミュレータが有意に低かった(p<0.05)。②ブラッシング中に適切なブラッシング圧を超過してしまう頻度(ブラッシング圧の適正値超過頻度)は、モバイルシミュレータが有意に低かった(p<0.05)。③ブラッシングの所要時間には有意差は認められなかった。④アンケート手法の一種であるVASによる使用感の評価では、「自習のしやすさ」について、モバイルシミュレータの評価が有意に高かった(p<0.05)。 以上のことから、質の高いブラッシング技術を習得するための自己学習教育機材として、モバイルシミュレータが具備する性能を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた、対照群と介入群によるモバイルシミュレータの性能分析を実施した。 また、当初は感覚評価で予定していたブラッシング時の圧力については、計器を用いて客観的な数値分析を行うことができた。 本年度までの研究成果について国内外の学会において発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、モバイルシミュレータを用いた技術教育を実施すると共に、カリキュラムの異なる他の看護養成教育機関においてモバイルシミュレータが活用可能であるかを評価するため、研究協力施設の確保が課題となる。共同研究者や所属学会等を通じて、研究協力施設の確保に努める。 最終的な成果を学会や誌面により発表すると共に、交流セッションや他大学での抗議等を行い、教育現場での早期の普及に努める。
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Causes of Carryover |
前年度からの繰入により当初支出予定額の一部が充当されると共に、若干の執行差金が生じたことによる。 次年度は、研究協力施設との研究実施や教育現場への研究成果の還元を図る等、計画的な執行に努める。
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Research Products
(2 results)