2018 Fiscal Year Research-status Report
認知症患者への看護実践の構造に関する記述的研究―人間関係と患者理解に着目して―
Project/Area Number |
17K12086
|
Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
鈴木 聡美 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (80442193)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 認知症看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護師は患者と人間関係を築き、その人を理解することを基盤として看護を実践する。認知症患者はその疾患の特性から関係の継続や患者の状況の理解が難しいが、その状況においても看護師は何らかの方法で患者と関係を持ち、患者を理解し、看護を実践している。本研究は、認知症患者への看護実践がどのように成り立っているのかを、看護師がいかにして認知症患者と関係を築き、患者を理解しているのか、という2つの視点から探求し、認知症患者への看護実践の構造の一端を記述することを目的としている。以上の研究目的に基づき、平成30年度は以下の3点を実施した。 1)国内外の文献の検討により、認知症患者への看護の現状および現象学的を手がかりとした分析方法の再検討を行なった。 2)認知症患者への看護経験がある看護師へインフォーマルなインタビューを行い、調査の対象者の選択方法を検討するとともに、インタビュー方法の検討を行った。1)の結果と合わせて考えると、病院だけではなく地域で暮らす認知症患者も増えている現状を鑑み、病院の看護師だけではなく、在宅で看護実践をしている看護師にもインタビューすることを次年度以降の計画として検討する。 3)検討した分析方法を用いて既存のデータを再分析し、分析方法の確認および認知書患者への看護実践に見いだしうるテーマを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献検討および現象学的な分析方法の検討に時間がかかり、データ分析を予定よりも進めることができなかった。また、研究対象者を再検討し、病院の看護師だけでなく在宅で認知症患者と関わっている看護師からも聞き取りを行ない、幅広い視点から実践を分析することを検討しているため、新たな対象者のリクルートが必要となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画を立案した当初は、病院で勤務する看護師のみを対象としていたが、近年の社会情勢を鑑み、在宅での認知症患者への看護実践も含めて明らかにする必要があると考えられる。そのため、今後は病院・在宅それぞれで認知症患者への看護を実践している看護師を対象としたインタビューおよびデータ分析を検討したい。
|
Causes of Carryover |
インタビューの実施が当初予定より遅れていること、また、対象者を次年度追加することから、インタビューを行なうための交通費および謝金として次年度使用額を執行する予定である。
|