2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study of Negative Feelings in Nurses toward Patients and How Support the Nurses
| Project/Area Number |
17K12100
|
|---|
| Research Institution | Kinjo Gakuin University |
|---|
Principal Investigator |
松浦 利江子 金城学院大学, 付置研究所, 准教授 (50535995)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 英子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (20299879)
松浦 明宏 中京大学, 国際教養学部, 教授 (60344636)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
| Keywords | 道徳的感受性 / 自尊感情 / 陰性感情 / 患者看護師関係 / 看護倫理 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護実践の過程において患者に対して陰性感情をもつ看護師の経験に着目し、関連要因を明らかにしたうえで、看護師支援策を構築することを目的としている。
令和元年から２年にかけて、調査対象を１地域で中核的役割を担う400床以上の規模の精神科病院と総合病院の２施設に絞り込み、当該病院の看護師全員を対象にした調査を実施した（調査内容は前回報告に同じ）。分析にあたっては、これまでの調査結果から患者に対する陰性感情と看護師の自尊感情との関連性が強い傾向があることを踏まえ、自尊感情を従属変数として重回帰分析を行った。その結果、自由度調整済み決定係数は0.36であった。有意な関連がみとめれらたものは、患者に対する陰性感情経験に対する嫌悪度（β=-0.23、 p<0.01）、道徳的感受性のうちの道徳的強さ（β=0.33、p<0.01）、道徳的気づき（β =-0.16、p<0.05）、経験年数（β=0.19、p<0.01）、仕事へのやりがい感（β=0.15、 p<0.05）、等であった。陰性感情経験頻度、勤務する診療科の別との関連はみとめられなかった。看護師の自尊感情を維持するためには、患者に対して抱いた陰性感情の頻度に注目した支援ではなく、その経験に対して過度に嫌悪感をもつことのないようにする支援が有効であること。看護倫理研修会などに際しては、「道徳的強さ」の育成に留意し、「道徳的気づき」の側面だけが強化されることのないように工夫する支援策を検討する必要性等が示唆された。
令和２年末に、これまでの調査結果を踏まえて看護師を対象にした面接調査を実施し、現在データを分析中である。今後は、陰性感情の実態と対処方法の実践知を明らかにし、患者に対する陰性感情に関する看護師支援策構築に向けて研究を進める予定である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響による、医療機関及び所属研究機関の諸々の事情により、調査を実施する時期が予定よりも遅れた。しかし、科学研究費助成事業補助事業期間延長及び再延長の措置が講じられたため、それを活用し、当初の予定を遂行することができる見通しである。以上から、進捗状況としては「おおむね順調に進展している。」とした。
|
| Strategy for Future Research Activity |
《調査1》として平成30年3月から4月にかけて15の医療機関に勤務する看護師計1500名を対象に実施したデータから明らかになった、看護師の患者に対する陰性感情経験の関連要因、影響要因を基に、令和元年度から２年度にかけて、中規模の医療機関2施設に対象を絞り、そこに勤務する全ての看護師を対象にした自記式質問紙調査を実施した。これらの調査結果を踏まえて、令和２年度に《調査2》として計画していた、看護師を対象にしたインタビュー調査を実施し、現在データを分析中である。今後は、陰性感情の実態、臨床看護師が抱えている問題意識、対処方法の実践知、支援に関するニーズを明らかにする。
《調査1》および《調査2》の結果を踏まえて、患者に対する陰性感情に関する看護師支援策構築に向けて研究を進める予定である。
|
| Causes of Carryover |
《調査２》の結果及び、これまでの調査全体を踏まえての研究分担者との調整会議や学会誌投稿のための費用として使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)
