2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K12102
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
中島 佳緒里 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (90251074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 聡子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (80285238)
竹内 貴子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (70387918)
安達 亜希 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助教 (10794068) [Withdrawn]
酒井 梓 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助手 (90768805) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Swedish Massage / 軽擦法 / 身体反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染拡大防止策のため実験における被検者の募集ができず、実験研究に必要な被検者数に至らなかった。そのため本年度は、これまでの成果発表と海外で報告された研究論文の成果をまとめた。 文献はMEDLINEを使用し、キーワードを「Tactile care」「Swedish massage」に設定し検索した。2011~2020年の10年間で54件、そのうち要約を確認し身体反応や症状の評価のある12件に絞り込んだ。 12文献の研究対象は、疼痛のある患者4件、癌患者2件、慢性疾患患者1件、不安障害の患者2件、熱傷の患者2件、健常者1件であった。研究内容はSwedish Massage(SM)とタイ式マッサージ(TM)あるいはイメージ療法(GI)、タッチング(LT)などの方法の優位性を検証した9件、単一の介入効果を検証した2件、介入量や期間のプロトコールを検証した1件であった。疼痛はVASやSF-MPQで測定されており、TMやLTと比較してSMで最も改善された結果であった。一方、疲労感、不安や気分、QOLに関する評価は、SMがLTやGIよりも効果があるとする報告と、方法による差は認められないとする報告が混在した。介入の効果を検証するためにバイオマーカーを測定した報告は2件あり、HbA1cやレプチンの減少、ストレス系の指標の変化が認められているものの生理学的な説明は難しく、バイオマーカーの変化がどのような効果に至るかは明らかになっていない。 海外文献では、1週間に1回の介入による長期間の累積効果の報告が多く、代替療法として疼痛や不安の緩和を中心にした臨床研究であった。しかし、医療に代替療法が積極的に用いられていない本邦では、看護師独自の介入として成立させるために、SMにより生じる身体反応やバイオマーカーを検証するとともに、SMの介入により効果が期待できる問題を明確にする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大防止策のため実験における被検者の募集ができず、実験研究に必要な被検者数に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
感染防止対策を徹底したうえで研究協力の募集をかけたところ、基礎研究の被検者数を30以上にすることができた。5-6月の期間で基礎研究を終了する。 さらに、新型コロナウイルスのワクチン接種の進行状況をみて、11月にはターミナル患者あるいは遷延性意識障害の患者を対象に接触技法を用いた臨床介入研究を開始する予定である。臨床介入研究では、シングルケースデザイン(ABAB)を用いる計画である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大防止の対応から、実験における被検者の募集ができず、実験研究が進まなかったのが理由である。 本年度は、感染防止対策を徹底したうえで実験を進行することができ、基礎研究における器材(サーモグラフィーカメラ)のレンタルに30万程度見越している。また、11月には臨床研究を展開するために、行動測定をするための活動計あるいは睡眠データをとるための簡易脳波40万程度の予算使用を見越している。
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