2017 Fiscal Year Research-status Report
医療チームの専門職連携協働を推進するための共感的相互理解モデルの開発
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17K12115
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
林 智子 三重大学, 医学系研究科, 教授 (70324514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井村 香積 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (00362343)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | チーム医療 / 葛藤 / 対立 / 医療専門職 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、多職種医療専門職のチーム医療に対する認識を明らかにすることを目的としていた。調査に先立ち、質問紙を作成するために、チーム医療に対する認識に関する文献検討を行なった。キーワードを「チーム医療」「摩擦」「葛藤」「対立」「困難」とし、文献データベースで検索した。20文献を抽出し、以下の結果を得た。先行要件には、患者の「ニーズの複雑化・拡大化」とそれを取り扱う専門職の「専門性の分化・明確化」があった。チームメンバーにはチームメンバーへの「信頼」「理解」等が含まれ、チームには「協働連携」「開放的なコミュニケーションの実施」等が含まれた。帰結として、チームメンバーの協働連携に基づく相互作用によって導かれるものであり、ケアの提供者と対象者双方に有益性をもたらすものであった。チーム医療は、患者をチームの中心に据え、メンバー間の協働連携やコミュニケーションを重視していた。 次に、医療現場でチーム医療を担う医療専門職への職種間の摩擦や葛藤を明らかにするために、質問紙調査を行なっている。東海地方の総合病院680施設に協力の依頼文を送り、186施設(約30%)から協力の承諾の返信があった。現在は、承諾の得られた病院に勤務する医師・看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師・診療放射線技師・管理栄養士・医療ソーシャルワーカー・臨床工学技士等の医療専門職の方々に質問紙への記入の依頼を行なっているところである。回答が返送されたものからデータを入力し、データ入力が終わり次第、データ解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
質問紙の質問項目を策定するために文献検討を行なったが、文献の収集や分析に手間取り、質問紙作成に多大な時間がかかってしまった。また、質問紙調査の計画書を作成し、倫理審査に提出したが、所属施設の研究倫理審査がしばらくの間、停止していたこともあり、調査に取り掛かるのが遅くなった。
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Strategy for Future Research Activity |
この遅れを取り戻すためには、現在、行っている調査結果を早急に集めるとともに、次の調査も並行して行なうことを考えている。それによって、1年目の遅れを取り戻したい。
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Causes of Carryover |
遅れた計画を実施するとともに、並行して今年度の調査を行なう。そのため、翌年度と合せた予算で計画を実施していく予定である。
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