2021 Fiscal Year Annual Research Report
SUPPORTING STUDENTS WITH POTENTIAL LEARNING-DISABILITIES IN CLINICAL NURSING TRAININGS
Project/Area Number |
17K12118
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村上 真理 広島大学, 医系科学研究科(保), 助教 (10363053)
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Project Period (FY) |
2018-02-28 – 2022-03-31
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Keywords | 看護系大学 / 学習障がい / 臨床実習 / 学習支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護系大学の臨地実習におけるLDの可能性のある学生と関わった臨床実習指導者や大学教員の困難さから、当該学生への学習支援のあり方を明らかにすること、とした。 その結果、学習障害の可能性のある看護学生に関わったこのとある臨床実習指導者や教員は【看護学実習中という短期間で学生に合わせた方策の模索】【日本の伝統的な集団主義教育とはあまりにも異なる個別対応への抵抗】【学生の依怙贔屓になってしまうのではないかという葛藤】【限界を見極めてしまうことへの躊躇】【特性ゆえの困難さを支援する障壁】を感じていた。 臨床実習で学習障がいのある学生を支援する上で次のような支援策が提案された:指示内容をうまく聞取れない学生には強調色の文字で短く視覚で示し音声記録を利用する;順序だてては話すことができない学生には時間をかけて傾聴し話したことを要約する;資料の読み取りがうまくできない学生にはユニバーサルデザインを使いフォントを大きくし文字量を減らす;看護記録を書くことができない学生には時間を割いて内容を一緒に表出し、文字起こしアプリを使う;情報からアセスメントができない学生には一緒にメモリーツリーや図を利用する;グループワークに参加できない学生には集団人数を小さくし、ポジティブフィードバックに努める;スティグマのある学生には従来の教え方に固執せず学生の特性を認めあう。 このように、当該学生も含めた周囲の人々をサポートチームとして認識し、臨床実習指導者や大学教員が学生の困難を解決するために互いに学び合う必要があることが示唆された。さらに、大学は社会組織の一員として、合理的配慮を提供するために、学習障がいに関連する教育活動に責任を持ち、積極的に取り組む必要があることが示唆された。社会全体としての意識向上のためには、更なる研究の必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)