2017 Fiscal Year Research-status Report
在宅看取りでの看護師による死亡確認時の理念および技術の教育実践プログラムの開発
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17K12123
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
齋藤 美華 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (20305345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 礼子 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (40272075)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 看取り / 在宅 / 死亡確認 / プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国における高齢者および家族の死への受け止め方、考え方を文献検討により明らかにした。 その結果、男性に比べ女性、40代では65歳以上に比べて大切な人の死を恐れる意識が強く、死について考えようとしない態度に関する「死の回避」は男性の方が女性よりも有意に高かった。向老期世代の人生の最終段階に向けた生き方については「病気になった時には覚悟を決める」「今の生活に目標を持つ」「家族関係を良好に保つ」「75歳以上を人生の最終ステージとして捉える」「残される者の手を煩わせないための身辺整理をしている」「自分の墓を準備している」、70歳以上では「死よりも寝たきりになる方が心配」「死ぬまで健康でいたい」「死は考えても仕方がない」「死は遠い存在」「死ぬときは運命に任せる以外にない」と考えていた。在宅で看取った家族介護者は、認知症高齢者に対し「苦痛の解放を強く願い、楽にしてあげたい」と思いつつ、「死への覚悟や受容という心理的葛藤」を経験していた。高齢者との死別後には「自分の老いを不安に思う」「死が訪れることは仕方がない」「受け入れるしかない現実に区切り」をつけ、「尽くしたという思いはあり」つつ、「家族的にも経済的にも本当にギリギリ」「あそこで終わって正直ほっとして」いた。家族と死別を体験した家族介護者は「死への不安」を持ちつつ、「死後の世界がある」「自分もいずれ故人のもとへいく」「死は必ず来る」「死に方は生き方が反映される」「死は年齢順」と死を受け止めていた。女性の場合、病院での死別では「健康な時は、死への準備は先延ばし」「先のことは考えていない」「配偶者の死に備えての準備はわからない」「心の準備をして死を待つのは辛い」と考えていた。 高齢者の死に対する受け止め方や考え方は、その時の年代や疾患、性別、看取りを行った環境により異なることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、高齢者および家族の死への受け止め方、考え方を文献検討により明らかにし、概念整理までを行う予定であったが、より詳細な分析による概念整理までは至らなかった。本研究結果より、高齢者の死に対する受け止め方や考え方は、その時の年代や疾患、性別、看取りを行った環境により異なることが明らかとなったため、概念を整理する上で分析に時間を要したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度までの目標である高齢者と家族の“死への受け止め方”に関する概念を文献検討および看取りに関わっている訪問看護師へのインタビューにより抽出し、看護師による死亡確認時の理念を作成する
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Causes of Carryover |
分析の進捗が遅れたことにより、研究成果の学会誌投稿に関わる諸費用の未執行が考えられる。 29年度に達成できなかった課題を早期に行うとともに、平成30年度の目標である訪問看護師へのインタビューも含めた概念分析を実施することで、計画的な使用ができると考える。未使用金は平成30年度分と併せて使用する。
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Research Products
(1 results)