2022 Fiscal Year Research-status Report
在宅看取りでの看護師による死亡確認時の理念および技術の教育実践プログラムの開発
Project/Area Number |
17K12123
|
Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
齋藤 美華 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (20305345)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 礼子 東北大学, 医学系研究科, 名誉教授 (40272075) [Withdrawn]
尾崎 章子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30305429)
菊地 史子 東北大学, 医学系研究科, 講師 (30292353)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 看取り / 在宅 / 死亡確認 / プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者と家族の“死の受け止め方”考え方に関する看護師による死亡確認時の理念を作成するために、機縁法選出した訪問看護事業所から紹介をうけた非がん高齢者の看取りの経験があり、かつ、高齢者とその家族の死への思いや考えについて語ることができる訪問看護師6人を対象にインタビュー調査を実施した。 インタビューは60分程度であり、非がん高齢者とその家族の“死の受け止め方”考え方について日頃感じている内容を語ってもらい、録音や書き留めをした。分析は、事後に逐語録化したものを精読し、高齢者および家族の“死への受け止め方”考え方を表す最小単位の記述を抽出してコード化し,意味内容の類似性に基づきカテゴリを作成した。 対象者の年齢は20歳代2人、30歳代2人、40歳代1人、50歳代1人であり、臨床経験は6.5(3-11)年、訪問看護師経験8.5(2-26)年であった。 高齢者および家族の“死の受け止め方”考え方として、<精一杯生ききったことに満足している><身体変化を感じている場合は死を受け止められる><人生に不全感を抱いている場合は不安や恐怖がある>を内包した『生き様や生活背景によって高齢者個々で異なる』が抽出された。また、<身内の死を見てきた経験から自然のことと受け止める><先に亡くなった大事な人のことろへ行ける>を内包した『体験や環境を基に家族間で代々引き継がれていくものである』が抽出された。さらに、<日常生活の中での死は自然である><死はいずれ来るものである><必死で生きることである><身近なことだが意識していない>を内包した『自然なこととして納得している』が抽出された。 訪問看護師は、非がん高齢者とその家族の死の受け止め方について、高齢者個々の生き様から家族背景も含め広い視点で捉え、多様な看取り支援を検討していたことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和4年度は、高齢者と家族の“死の受け止め方”考え方に関する概念を看取りに関わっている訪問看護師へのインタビューにより抽出し、さらに、これらの概念を基に看護師による死亡確認時の理念を網羅した質問紙を作成し、全国の訪問看護師を対象に調査を実施する予定であった。しかし、新型コロナの影響により、訪問看護師の選定に時間を要したこと、および質問紙の作成が困難であったことから計画した調査が遂行できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
インタビューにより得られた概念を基に、看護師による死亡確認時の理念を網羅した質問紙を作成し、当初の計画目標である全国の訪問看護師を対象とした質問紙調査を早急に実施していく。さらに、質問紙調査結果を基に、看取り関係者によるパネルディスカッションで討議し、プログラムの評価および改良・洗練する。
|
Causes of Carryover |
全国の訪問看護師を対象とした質問紙調査を実施できなかったことにより諸費用の未執行が生じた。令和4年度までの目標である質問紙調査および、それらの結果を基にパネルディスカッションを実施することで計画的に使用できると考える。未使用金は今年度分と併せて使用する。
|
Research Products
(1 results)