2020 Fiscal Year Research-status Report
看護学生の異文化感受性を発達させる国際看護学モデルカリキュラムの構築
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17K12140
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
田中 博子 創価大学, 看護学部, 准教授 (50279791)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Cultural Sensitivity / 医療者 / 異文化感受性 / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界のグローバル化の加速とともに、経済活動、学術・文化的活動が活発になっている。国の経済政策や外国人受け入れ政策政策に伴い、在日外国人数および在留外国人数が過去最高を記録している(2019年現在)。本研究はこのような日本社会の変化に対応し、多様な文化背景を有する外国人対象者への適切な看護が提供できる看護師の育成するための基盤と成「Culrual Sensitivity」の概念に着目し、効果的な教育方法を構築するための基盤となる、学習者の評価に関わる研究である。 2018年度に実施した「医療者のCultural Sensitivity」の概念分析の結果を基盤に2019年度からは尺度開発に取りかかり、データ収集の途中で2020年度に移行した。対象は全国の医療系大学生2.4年生1400名、全国の外国人比率3.0%以上の自治体の総合病院の医療者(医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士)合計1400名を対象とし、37項目の尺度案の質問紙調査を郵送法で実施した。大学生からのデータ収集は分析必要数を回収できたが、医療者からは回収数が少なく、対象病院を関東地域の病院とし機縁法に変更し再調査を行なった。この間の計画変更のための倫理審査やコロナ禍における調査依頼可能な病院の情報収集に時間を要した。 2020年度内に、医療系大学生と医療者の分析必要数を収集でき、探索的因子分析、確認的因子分析を用い、信頼性・妥当性の検討を行なった。その結果、最終的に4因子18項目の尺度の妥当性を確認し、医療者・医療系学生それぞれの基準値を割り出した。再テスト信頼性の検討を2021年度に行なう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
医療系大学生と医療者からの質問紙回収に時間を要した。医療系学生は、長期休業期間や試験期間等を除く時期に回答してもらう必要があり、大学個々により回答時期がばらつく実情があった。医療者データは、郵送依頼での病院からの調査受諾を得ることが困難であった。そのため、機縁法に変更することにしたが再度倫理審査の承認を必要とした。機縁法にて候補とした病院への調査依頼への諸手続にも、コロナ禍の影響が大きく響き時間を要したため、遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
「医療者のCultural Sensitivity尺度」の妥当性、内的一貫性は確認できたので、2021年度は再テスト法による信頼性の検討を行ない、論文にて成果を発表する。 完成後には、医療系学生(看護学生)に対し、医療者のCultural Sensitivityの発達について縦断調査を実施していく。
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Causes of Carryover |
当初は国内外での学会参加を計画し予算計上していたが、コロナ禍のため出張旅行が不可能になったこと、コロナ禍により教育活動方法を柔軟に変更せざるを得ない状況となり、時間的にも出張が困難であった。このことから主に旅費で経費の余剰が生じた。21年度はWEBを用いた再テスト法によるデータ収集、研究成果公表を中心に支出する見込みである。
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