2019 Fiscal Year Research-status Report
看護チーム力を向上させる看護師・看護補助者の協働モデルの考案
Project/Area Number |
17K12171
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
中岡 亜希子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (60353041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨澤 理恵 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師(常勤) (20584551)
澁谷 幸 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (40379459)
内海 桃絵 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40585973)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | チームワーク / 労働生活の質 / 看護師 / 看護補助者 / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の第一段階の目的として、急性期病院における、看護師と補助者を含めた看護チームのチームワークの実態を調査し、関連する労働生活の質の認識及び、看護師と補助者の協働に対する認識の実態を把握するために、2018年11~12月にかけて質問紙調査調査を実施した。2019年度は回収されたデータ分析を実施した。回答は、592名(回収率52.3%)で、その内、師長を除き、分析対象者566名(有効分析率95.6%)とした。 チームワークは、三沢ら(2009)の「看護師チームのチームワーク測定尺度」により評価した。チームワークの最も高い得点の病棟では、33.0(最高得点は40点)であり、最も低い病棟では24.3であった。全体の合計平均得点は27.7であった。労働生活の質は、Lee(2003)が開発したQuality of Work(ing) Life測定尺度(以下、QWL)を用い、病棟別の合計平均得点において、最高72.1(最高点は90点)から最低では50.1と病棟別に大きな差異を認めた。 分析対象者全体において、チームワークとQWLの全体得点では、有意な高い相関を認めた(r=.575、p<.001)。チームワークの高得点群では、チームワークとQWLの「成長満足」(r=.385, p<.001)及び「上司との関係満足」(r=.348, p<.001)に有意な相関を認めた。一方、チームワークの低得点群では、「同僚との関係満足」(r=.479, p<.001)及び「上司との関係満足」(r=.371, p<.001)とに有意な相関を認めた。つまり、チームワークの高低に関わらず、チームワークには、上司との関係性に満足していることが必要であることが示唆された。加えて、チームワークの高い群においては、チームワークには、チームの成長に取り組む満足感が関連する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在新型コロナウィルス感染症に伴い、当初予定していた、病棟におけるフィールドワークを計画することができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査であきらかになったことから、看護チームのチームワークの病棟間の差異を明らかにし、差異のある要因について、病棟でのフォールドワークを行い、実際の病棟の実態を明らかにしたいと考えている。しかし、新型コロナウィルス感染症により、病棟への観察が無理な場合には、病棟の事情のよくわかる看護師へのフォーカスグループインタビューなどを通して、看護師と看護補助者の協働の実態についてチームワークの良好につながることと、そうでないことを明らかにし、良好なチームワークの在り方について検討をしていくこととする。
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Causes of Carryover |
前年度からの繰り越し金があったことと、研究者の所属移動に伴い、研究補助の方の雇用について変更し、人件費などが減少した。今後は、調査による分析の精度を高めるため、統計の専門家からの専門知識の提供への費用も要する。フィールワークもしくはフォーカスグループインタビューを実施する予定があるため、それらのデータ整理への人件費が必要となる。
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