2022 Fiscal Year Annual Research Report
Neurophysiological evaluation of circa-rhythm variation in during shift work, in female nurses.
Project/Area Number |
17K12183
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
田中 美穂 東邦大学, 医学部, 非常勤講師 (80385567)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Heart Rate Variability / 自律神経活動 / シフトワーク / 中枢性疲労 / 女性看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
夜務に従事する女性看護師の疲労の蓄積や夜間勤務(以下、夜勤)による一過性疲労の回復状態を評価することを目的とし、夜勤を含む7日間の心拍変動の観察を行った。新型コロナ感染症の流行により対人のデータ収集が滞り、最終的に7名の7日間の小型軽量の心拍計による心拍変動と身体活動量、8名の7日間のアクティグラフウォッチによる睡眠、概日リズム、身体活動のデータを収集した。本年度は被験者のデータをまとめ、発表した。 収集した心拍変動の周波数解析を行い、交感神経と副交感神経のバランスを求め、168時間・約2000個の数値を表にプロットした結果、どの被験者も概ね睡眠時は副交感神経バランスを優位に保ち休息していることが観察できた。次に、夜勤による疲労と睡眠の関係を明らかにするため、夜勤前の夜間睡眠、夜勤中の仮眠、夜勤後の午睡、夜勤後の夜間睡眠の4種の自律神経バランスを分析したところ、被験者は夜勤後の1~3日目睡眠のどこかで副交感神経活動を高めていた。このことは、必ずしも夜勤直後の睡眠ではなく、人によって疲労の回復を図る睡眠を得るタイミングが異なることを示していると考えられる。 アクティグラフウォッチによる睡眠データでは、睡眠の質を評価した。前述と同様の4種の睡眠の睡眠時間、睡眠効率、睡眠潜時を検討したところ、夜勤明けの日中3時間程度の仮眠が最も効率よく潜時が短く、睡眠による早期の疲労の回復を図っていることが明らかとなった。さらに、夜勤翌日の夜間睡眠時の睡眠潜時も短縮しており、身体が疲労回復のための睡眠を必要としていると推察できた。ただし前述の自律神経バランスの結果では、交感神経優位な睡眠状態の被験者もおり、さらなる検討が必要である。 被験者である女性看護師の年齢や夜勤経験年数、生活スタイルは個別性がある。それらを踏まえ、疲労の回復を図る自律神経活動のパターンを検討していく必要性が示唆された。
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Research Products
(2 results)