2017 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感のバーンアウトへの影響
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17K12184
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
川村 晴美 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (60769868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 英子 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (20299879)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 急性期病院 / 認知症ケア / 困難感 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感を明らかにすることを目的として質的研究を行った。困難感については、「厳しい・怖い・辛い」「不安・負担・自信がない」経験を自記式質問紙により調査した。 研究の依頼については、看護部長宛に研究協力依頼文書・質問紙・研究承諾書を送り、返信にて病院長・看護部長より研究同意の得られた関東甲信越にある4つの急性期病院で行った。 対象は、115名の看護師に行った。困難感についての経験を一つでも記入してあるものを有効回答とした。分析の対象は105名(91.3%)で女性99名、男性6名であり、平均年齢34.4歳、平均経験年数は10.4年、認知症看護年数:7.4年、既婚35名、未婚70名、子ども有り25名、無し80名、スタッフ94名、主任7名、師長4名認知症認定看護師は0であった。 認知症高齢者をケアする看護師が抱いている困難感について、どのように感じているか、自記式質問紙による内容の逐語録を作成し、クレッペンドルフの内容分析を参考に内容分析を行った。認知症高齢者をケアする看護師の困難な状況の中から困難な事象に焦点を当て分類し、困難感をカテゴリー化した。 困難感の内容は、患者の安全、認知症についての理解不足、コミュニケーション障害、病院という環境、患者の暴言・暴力、認知症の症状への対応、他の入院患者へ与える影響、他の業務へ支障、抑制することへのジレンマ、認知症ケアの理想と現実、イライラする感情、家族の協力、他職種の協力の13のカテゴリーに分類された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感については、質問紙調査し、概ね分析が終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
認知症高齢者をケアする看護師の困難感のカテゴリー化したものを質問紙として作成する。 急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感のバーンアウトに与える影響を明らかにするために、バーンアウトを目的変数とし、認知症高齢者をケアする看護師の困難感を説明変数として横断研究を行う。 分析は、因果関係のモデル検証のために共分散構造分析で行う。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、平成29年度で急性期病院で認知症高齢者をケアする看護師の困難感のバーンアウトに与える影響を明らかにするための量的研究を行い、平成30年度で困難感の内容を具体的にする質的研究を行う予定であった。しかし、平成29年度に困難感を明らかにするための質的研究を実施し、平成30年度に困難感のバーンアウトに与える影響を明らかにするための自記式質問紙調査(量的研究)へと変更した。平成30年度の自記式質問調査(量的研究)では、主に尺度使用許可費(バーンアウト)、質問紙の印刷費業者委託、郵送費、データ集計業者委託などに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)