2019 Fiscal Year Research-status Report
病院看護部が自然災害に対して備える方略と備え対策を継続実施できるシステムの構築
Project/Area Number |
17K12193
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
西上 あゆみ 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (30285324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 達枝 東京医科大学, 医学部, 兼任准教授 (40576063)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 災害看護 / 病院防災 / 看護部 / 備え |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は自然災害に対する病院看護部の備えに対する具体的な方略を明らかにし、その方略をガイドライン化することで、BCP(事業継続計画)を念頭に置いた病院看護部の備えを継続実施できるシステムを開発することである。1年目の平成29年度は、病院看護部の防災担当者の災害に備える活動実態を明らかにすることとして調査を進めた。2年目の平成30年度は、自然災害に対する病院看護部の備えに関する具体的な方略が記された冊子(ガイドライン)の課題と有用性を明らかにすることを目的に研究、調査を行った。 3年目の平成31(令和元)年度は、1年目の研究成果、2年目の全国の災害拠点病院を中心とした調査結果から、ガイドラインの精錬、改訂を行っていった。追加して、近年の文献についても精査し、さらにガイドラインに有用な方策について情報を追記し、ガイドラインを作成、PDF化して、研究代表者のもつWebページで8月より公開を始めた。前年度同様に災害対策に関する備蓄や用品などについて防災対策展が各地で実施されていることからこのようなところへ参加し、ガイドラインに関する情報を収集した。作成したガイドラインをもって日本災害看護学会で交流集会の申し込みを行い、病院看護部関係者と情報交換を行った。また、ここでは平成30年度の結果についても、利用者と意見交換を続けた。ガイドラインが公開された後は、過去2 年間の調査協力者に通知し、 Web を介して意見が頂けるようにした。学会や看護師、看護管理者の研修会を通して、Webならびにガイドラインを知っていただくような広報も行った。これらの活動を通して、Web上のシステムの修正、改善を実施する予定であったが、ほとんど意見を得ることはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度の計画として、研究結果を元に、具体的に災害に備える方略を表したガイドラインをWeb上で公開、意見を得ることとしていた。実際に、ガイドラインを作成したが、公開は当初の予定より遅れて8月21日となった。また、Webページやガイドラインの紹介を郵送で行うことをとおして、本研究に関する意見を得る予定であったが、ほとんど返信を得ることはできず、十分な成果公表とならなかった。2020年2月の災害医療関係の学会でガイドラインを紹介したり、依頼原稿を受けて、研究成果を発表する、学会や研修会で紹介するような活動は行ってきたが、さらに成果公表への努力が必要と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、研究者が研修会を積極的に開催するような方法で本研究の推進を図りたいと考える。このために研究計画をたて、研究者の所属する大学の研究倫理委員会に研究計画書を提出、すでに承認を得ている。また、平成31年度は学会を通じてガイドラインの紹介の活動が中心になっていたため、平成30年度に行った研究成果の発表を国内外の研究学会で実施していく予定である。研究者らは看護管理の研修会において講師を依頼されること、災害看護分野に関する講義を担当することが多い。この活動においても積極的に成果を報告することに努める。これまでどおり、Web を介しても意見が頂けるようにしておき、これら活動をとおして得た意見をもとにWeb上のシステムの修正、改善を実施する。以上を通して、病院看護部の災害に対して備える活動実態、方略が進められるようにする。
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Causes of Carryover |
研究の推進についての遅れはあったが、ガイドラインの印刷や発送は予定通り実施したが、見積もっていた金額よりも安く実施することができた。学会参加も居住地に近いところでの開催であり、予定経費よりも安く実施することができた。研究者間の会議開催に関しても、学会の委員会や学会参加後の会議に調整するなど、交通費・会議費等の予算の使用を抑えることに努めた。 令和2年度は、当初予定していたようなWebを用いた全国的な調査では、十分な成果が得られないと考えられるため、研究者が研修会を積極的に開催するような方法で本研究の推進を図りたいと考える。このための交通費、調査用紙の印刷、郵送費やデータ入力費用などの経費が必要であることが見込まれる。また、国際学会や国内の災害医療系の学会で発表を企画し、この参加のために経費を使用する予定である。
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