2017 Fiscal Year Research-status Report
意識下手術における聴覚刺激に伴う精神活動の可視化とストレスマネジメント方略
| Project/Area Number |
17K12207
|
|---|
| Research Institution | Hokkaido University |
|---|
Principal Investigator |
溝部 佳代 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (70322857)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横澤 宏一 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (20416978)
尾崎 倫孝 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (80256510)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
| Keywords | 局所麻酔 / 手術室 / 音環境 / ストレス / 周術期看護 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、意識下手術（局所麻酔手術）を受ける患者の聴覚に与えるストレス環境の実態を臨床研究により明らかにすることであった。
臨床研究に先立って、国内外の文献検討を追加し、局所麻酔手術中の患者の音環境によるストレス・不安の素因、また、患者背景について整理し、研究計画を具体的に立案した。その結果、音環境による感覚に鋭敏になりやすく、術式によって差異の少ない眼科手術を受ける患者と担当する手術室看護師を対象とすることとした。
データ収集は日常診療の中で行われることから、調査にむけて対象施設の医師・看護師とともに研究方法について検討し、実行可能かつ患者の不利益・診療の妨げが生じないデータ収集方法を決定した。対象の選定およびIC取得においても、医師・看護師と相談・協力が得られるよう組織体制を整えた。また、対象となる診療科の手術中の流れを見学し、データ収集方法の手順を具体的い決定した。最終的には、ヒトを対象とする臨床研究であるため、研究計画について倫理審査を受ける必要があり、手続きとしてまず、研究者が所属する研究施設の倫理審査委員会から承認を得た。次いで、調査施設における倫理審査委員会の審査に申請し、現在、結果を待っている状況である。
研究分担者とは、データ収集（環境計測）に備えてデータ解析に関してミーティングを行い、その上でデータ収集に使用する機器の準備、解析室の確保、実際の手術室におけるデータ収集を試験的に行った。
今年度、国内外の文献検討により得られた成果は、当初予定通りアジア・オーストラリア周術期看護学会（オーストラリア、アデレード、2018年5月）にて学会発表することが決定している。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトを対象とすることから、2つの倫理審査委員会への申請が必要であり、審査に時間を要することは予期していた。日常診療のなかで臨床研究を行うことから、調査施設の医師・看護師を含めた協力体制を構築することが重要であるが、施設との関係形成がすでにできていたため、研究計画立案後にミーティングを重ね、協力者を少しずつ拡げることができ、最終的には手術部医師・看護師、診療科医師・看護師（各部署の責任者含む）から成る協力体制を作りあげることが出来た。臨床研究を推進する上で、これらの手続きや組織づくりの準備ができたことは大きい。
文献検討による成果を国際学会で発表することも決定しており、関連情報についてさらに国内外から得られることが期待できる。
以上より、初年度の進捗状況は、概ね順調に進展していると考える。
|
| Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更はない。調査施設における倫理審査委員会の承認を得た後、具体的なデータ収集時期を決定し、調査を行う。得られた成果は、国内外の学会において発表する。
また、2年目以降は、それらの成果をもとに第2段階の健常者を対象とした準実験研究に移行する当初計画である。次年度は、研究計画立案にむけて、準実験研究に用いる実験用音響刺激セットの開発を目指す。
|
| Causes of Carryover |
消耗品については、環境計測に必要な機器の一部がプレテストによって研究分担者所有の機器で対応可能であるとわかったため、購入する必要がなくなった。一方、その他に国際学会の参加費が計上され、これらはほぼ相殺された。
人件費については、調査施設の看護師からの協力が得られたことにより、今年度は、臨床研究の準備段階に要する人件費は発生しなかった。しかし、間もなくデータ収集・解析を開始されれば、補助員を要し人件費が発生することから、引き続き次年度において繰り越された人件費・謝金を使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)
