2021 Fiscal Year Annual Research Report
Visualization of Mental Activity Associated with Auditory Stimulation in Conscious Surgery and Stress Management Strategies
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17K12207
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
溝部 佳代 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (70322857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横澤 宏一 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (20416978)
尾崎 倫孝 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (80256510)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 手術室 / ストレス応答 / 刺激音 / 生体計測 / 脳磁計 |
Outline of Annual Research Achievements |
第2段階である「快、不快な聴覚刺激に伴う生体のストレス応答の特徴を捉えるための実験研究」について引き続きデータ解析を行った。昨年度までの成果により、意識下手術中の音環境を模倣した聴覚刺激に対する主観的評価では、持続的な不快音に比べて、突発的な音に対する不快が強いことが明らかとなっていたが、自律神経系のストレス指標である心電図RR間隔においても、持続的な不快音、突発的な音ともに、安静時に比べて有意に短縮がみられ、ストレス反応として確認できた。 さらに、脳磁計データをもとに、刺激音直後の無音5秒間を解析区間とし、3種の刺激音別にα波帯域(8-13Hz)、β波帯域(15-29Hz)、θ波帯域(5-7Hz)の活動変化を算出し、ヒルベルト変換を用いてエンベローブ(信号振幅)をとった。さらに、Mind boggleにより大脳皮質を左右各31領域に分割し、62領域ごとに刺激音3種に対し、平均α、β、θ波の振幅を求めた。統計解析では62領域別に刺激音3種による違いがみられる部位があるか、α、β、θ波帯域にわけて2元配置分散分析(刺激音3種×SCOUT62領域)を行ったところ、β波帯域において、後頭野(両側のlateral occipital)で、突発的な音と持続的な不快音との間に有意差がみられた。β波帯域は緊張や興奮状態を反映しているといわれており、突発的な音に対するネガティブなストレス反応が後頭野で確認されたことは、音から連想するネガティブな映像イメージが第2次視覚の脳活動部位におけるストレス応答として示された可能性が考えられた。以上より看護では、不快な音に対する対象者のイメージや過去の経験に対する認識に働きかけ、個人のストレス対処を促進するコーピングを支援することが、音に対する緊張・不安の緩和につながる可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)