2018 Fiscal Year Research-status Report
遺伝性神経難病TTR-FAPの症状マネジメントガイドブックの開発
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17K12215
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
柊中 智恵子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (60274726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中込 さと子 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (10254484)
国府 浩子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (70279355)
川崎 裕美 広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 教授 (90280180)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 家族性アミロイドポリニューリパチー / 症状マネジメント / セルフマネジメント / ガイドブック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、TTR-FAP患者のセルフマネジメントの視点に基づく症状マネジメントを明らかにし、患者・家族向けのガイドブックを開発することを目的としている。そのため、そのため、計画1.患者のセルフマネジメントの実態調査を行い、症状の体験、症状への対処(方略)、身体機能・症状の状態・不確かさ・QOLなどについて明らかにする。家族については、不確かさ・QOLなどについて明らかにする。計画2.実態調査をもとに、患者会とともに当事者目線の患者・家族向けの症状マネジメントガイドブックを開発し内容妥当性についても検討する。 平成30年度は、平成30年5月、熊本難病・疾病団体協議会に所属する熊本県下の難病団体の患者・家族約30名と患者会と医療者とのパートナーシップについて意見交換を行った。患者・家族は、医療者から専門的知識を得ることのニーズがあることを改めて実感し、症状マネジメントについてガイドブックを作成する内容への示唆を得た。 平成30年6月と平成31年年1月に全国の医療関係者(FAPを専門に診断・治療する神経内科医および臨床遺伝専門医、看護師、認定遺伝カウンセラー)とTTR-FAP患者の症状マネジメントについて意見交換を行った。全国で患者・家族を支援する医療関係者は、TTR-FAP患者の症状マネジメントの理解はなかなか進んでおらず、診断・治療だけでなく、ケアについても困難な点を抱えていた。これらの活動より、医療者が支援する際に明確にする必要があるガイドブックの内容について、活動、休息、食事、排泄といった日常生活の視点からガイドブックを作成した方が効果的であることの示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度は、平成29年度に引き続きセルフマネジメントに基づく症状マネジメントの実態調査を実施する予定であり、6月には研究計画書完成と倫理申請を目指していた。 しかし、使用する量的研究法の尺度について、既存の不確かさの尺度、不安尺度、自己効力感尺度、神経難病の療養生活の受け止め尺度・療養生活対処尺度についての検討が不十分であるため今後プレテスト等を検討することになったため遅れている状況である。 質的評価であるSEIQoL評価については、準備が整ったため、実施可能な状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
症状マネジメントの方略として、実態調査を行うための準備を進める。SEIQoL評価を使用し、その方法については準備を整えることができた。今後は、使用する尺度について、再度レビューを行い判断する。平成30年8月まで研究計画書を作成し、倫理申請を行い、9-10月頃より、先ずは量的研究としての質問紙調査に着手する予定である。その後、了承を得られた患者に対して質的研究法によるSEIQoL評価を実施する。
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Causes of Carryover |
本研究を遂行するためには患者の状況の情報収集が重要である。平成29年度に行った第16回国際アミロイドーシス学会への参加、国内外の患者会、患者・家族との交流などがあり、国内の患者会に打診し、患者会とともに国際的な視野でのガイドブック作成も検討している。そのため、平成31年度での予算の使用が生じたため、繰越額を多めに設定した。
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