2020 Fiscal Year Annual Research Report
Developing a method to support the change of embodiment in the healing process of atopic dermatitis patients.
Project/Area Number |
17K12236
|
Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
藤原 由子 神戸女子大学, 看護学部, 准教授 (70549138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野並 葉子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (20254469)
元木 絵美 神戸女子大学, 看護学部, 講師 (70382265)
奥井 早月 神戸女子大学, 看護学部, 助教 (00783002)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 慢性病 / 身体性 / アトピー性皮膚炎 / 看護学 / 解釈学的現象学 |
Outline of Annual Research Achievements |
10歳代後半男性のインタビューデータが2回得られたため、1例の分析後、過去の研究結果と比較する形で検討を行った。 「地元の皮膚科で治る」「塗り薬で治る」と収束できていた研究協力者の身体は、「塗り薬を塗る範囲が広くなる」ことで生活上の変化を感じ、高校生までは親の心配や保護のもとで、食べることや寝ることが乱れることなく送ってこれた生活が「リズムが崩れる」ことを感じた。そして、皮膚のことを気遣うために皆と違う行動や服装をすることができないといった「自分だけはみ出すことができない」状況になっていることが出てきた。また、皮膚が痒いときには眠れなくなり、眠れないと疲れ、痒くなるという悪い条件が重なり合い統合した「皮膚が負ける」という身体性があることを見出すことができた。 先行研究で重症を経験したアトピー性皮膚炎患者は、治りにくく重症化しやすい背景には、一旦治癒したとしても炎症が再燃することへの対処がうまくいかないこと、治癒傾向になったとしても身体性が変わっていくことに対しての不安から再びもとの状態に戻りやすいことが見えてきた。皮膚に病変のあることが感覚的に固定化することで、病変のある皮膚のほうが返って安定した状態になることや、治癒過程において患者が病いのままでいることを収束させるために、日常の中で活動内容や範囲を制限することがあった。特に(1)症状の固定化に合わせて、日常生活を対応させていかざるを得ない。(2)自分の皮膚の影響で生きる姿勢が歪められないように、皮膚を覆うものを固定化することで積極的に生きている、という2つの先行結果に対して、今回の研究データにおいてその兆候は、悪化し始めたときから既に認められ、症状に合わせて日常生活が変わっていかざるを得ないこと、皮膚を覆うことで積極的に日常を続ける活動が症状の初期から体験されていることが明らかになった。
|
Research Products
(2 results)