2018 Fiscal Year Research-status Report
透析患者の看護診断「かゆみ」に関する成果(成果指標・測定尺度)の開発
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17K12237
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Research Institution | Kansai University of Nursing and Health |
Principal Investigator |
神谷 千鶴 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (80361236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江川 隆子 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (40193990)
犀川 由紀子 関西看護医療大学, 看護学部, 講師 (60556744)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | かゆみ / 透析 / 看護診断 / 成果指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年度は、透析患者に用いられるかゆみの評価指標について、透析看護に携わっている看護師に、具体的に話を聴いて、評価指標としての妥当性の確認を行った。 インタビュー調査について、既存の尺度では測れない点も多くあった。研究協力者1名は長年かゆみについて研究をしており、介入研究の評価としては、VASが使いにくかったことや白取の基準なども回答しにくいとの意見が得られた。また、他の研究協力者2名は、透析患者とのかかわりが長く、かゆみに対してあまり意識をしていなかったとのことだが、本研究に協力するために観察したところ、かゆみを持っている患者も多くいたとの意見があった。評価指標についても以前使用したことがあるが、継続して観察していないとの意見がみられた。その理由としては透析患者のかゆみは変化することが多く、かゆい場所も変っていくので捉えにくいとのことであった。 そのため、かゆみについての概念分析を用いて行うことに計画を変更した。概念分析の結果、看護診断の診断指標となるものは実在的な症状となり、関連因子となるものについては透析治療による因子が多くなった。また、かゆみの概念では、かゆみの強さ、場所、持続時間などの属性を考慮する必要もあり、これらを踏まえた評価指標の開発が必要と考えられた。かゆみに関する文献は、すでに書籍として発表されているものもあるが、透析患者のかゆみについては未解明な点も多い。看護に関する原著論文は少なく、外国文献も実態調査が多かった。介入研究やその評価としては、VASやQOLといって既存の評価尺度を用いた文献が多くみられた。 今後は、概念分析の結果を踏まえ、評価指標の洗練を行うとともに、計画に従って、妥当性検証ならびに感度・特異度の検証を行っていきたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
専門家へのインタビューの結果、成果指標の見直しが必要となり、妥当性や感度・特異度の検証のための調査用紙の作成に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度実施予定だった妥当性の検証・感度特異度についての調査を実施する。今年度のインタビュー結果を質的分析を行い調査用紙を作成する。調査用紙の妥当性検証を行い、透析看護に携わる看護師を対象に、感度・特異度についての調査研究を行い、成果発表をしたいと考える。
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Causes of Carryover |
国際学会発表のための旅費が、所属機関の助成金を受けることができたため減額された。 研究進捗が計画より遅れており、全国調査が行えていないため、日本各地で行う調査のための旅費が少なくなった。また、アンケート用紙の作成などのアルバイト代や物品費なども使用できなかった。令和元年度に全国調査などの計画を実行し、使用したいと考えている。
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Research Products
(1 results)