2017 Fiscal Year Research-status Report
化学療法を受ける乳がん患者の生活調整プログラムの開発
Project/Area Number |
17K12249
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
国府 浩子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (70279355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柊中 智恵子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (60274726)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳がん患者 / 化学療法 / 生活調整 / がん看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学療法を受ける乳がん患者には、代謝の変化や過剰な食事摂取、活動量の低下が指摘されているため、適切な栄養管理、適切な身体活動を維持するための生活調整が必要である。初年度である平成29年度は、文献検討を中心に行った。 ①化学療法を行うがん患者の活動量に関する研究: 11件の国内文献を検討した。研究デザインは、3件が質的研究であり、6件が量的研究、2件が事例研究であった。研究の対象は、3件はがん患者、4件は肺がん患者、2件が消化器がん患者、2件が血液がん患者であった。研究内容は、身体活動量の関連因子、体力の捉え方と取り組み、身体活動と関連の強い倦怠感のマネジメント、低強度運動やリハビリテーションの効果に関するものであった。研究者は5件が看護学分野、4件が理学療法学分野、1件が医学分野とスポーツ科学分野であった。活動量には質問紙調査とライフコーダーによる測定が行われていた。 ②乳がん患者の倦怠感に対する運動効果に関する研究:介入による倦怠感への効果を記述している英語論文21件を検討した。研究デザインは14件がランダム化比較試験(RCT)で、7件は事前事後テストによる比較であった。対象者数は14~242人であった。運動の種類は、有酸素運動、筋抵抗運動およびそれらを組み合わせたものがみられた。運動介入後に倦怠感への効果を認めたのは、16研究であり、対照群との差がないなど5つの研究では効果を認めなかったとしていた。乳がん患者を対象に実施された運動介入において、多くは介入後に倦怠感の改善が見られており、有酸素持久力や筋力の向上に加えて、運動による活動量の増加が身体機能の維持につながり、倦怠感の悪化を防いでいた。 これらの結果をもとに、補助化学療法を受ける乳がん患者の倦怠感と活動量に関する調査を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献検討が中心になってしまった。遅れた理由としては、倫理審査申請に時間を要し、調査開始が遅れてしまった。また、調査項目が多くなり、計画を再検討し、2段階に分けての調査となってしまったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
身体活動量と化学療法中の副作用である倦怠感に関して継続して調査をすすめていく。並行して、対象施設を増やし、異なる対象者に食事摂取状況や体成分に関する調査を行っていく。
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Causes of Carryover |
調査が遅れたため、購入予定であった体成分分析装置を購入できていないため次年度に繰り越すこととなった。 研究計画が遅れ気味であるため、対象者への調査を実施するためにアルバイトの雇用、体成分分析装置の購入費、分析に使用するソフトの購入にあてる。
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Research Products
(1 results)