2018 Fiscal Year Research-status Report
化学療法を受ける乳がん患者の生活調整プログラムの開発
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17K12249
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
国府 浩子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (70279355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柊中 智恵子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (60274726)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生活調整 / 乳がん患者 / 化学療法 / がん看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学療法を受ける乳がん患者には、代謝の変化や過剰な食事摂取、活動量の低下が指摘されているため、適切な栄養管理、適切な身体活動を維持するための生活調整が必要である。また、治療に関連した倦怠感は、多くの患者が体験する苦痛を伴う症状であり、生活に影響を及ぼすため、治療早期からのマネジメントが重要である。2年目の平成30年度は、補助化学療法を受ける乳がん患者の倦怠感と活動量、QOLに関する調査を行った。 手術療法後に化学療法を受けた乳がん患者20名に質問紙調査および加速度計を用いて活動量を測定した。対象者の年齢は29~65歳であった。多次元倦怠感尺度の得点は、1クール目が2・3クール目に比べ高く(p<0.05)、治療3~7日目に倦怠感および日常生活の支障の程度は強く、日常生活支障の程度が低値で推移するパターンとピークが遷延するパターンに分類された。QOL得点や歩数は化学療法のクールによる差は認めなかった。一方、2クール目の多次元倦怠感尺度得点が19点以上の倦怠感が強い群は、18点以下の群と比べて1クール目・3クール目の倦怠感も強く、治療期間中の歩数も少なく、QOLが低かった(p<0.05)。また、倦怠感の強い群のほうが、年齢は高かった(p<0.05)が、就業状態による違いは認めなかった。2クール目の倦怠感の得点により活動量やQOLに違いを認めたことから、支援が必要な患者をスクリーニングする上で指標として活用できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目に文献検討を中心に行ったため、また、倫理審査申請に時間を要し、調査開始が遅れてしまい、全体的に遅れがみられる。
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Strategy for Future Research Activity |
化学療法の有害事象として苦痛が強く生活への影響が大きい倦怠感と身体活動量に関して継続して調査を進めていく。並行して、対象施設を増やし、異なる対象者に食事摂取状況や体成分に関する調査を行っていく。
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Causes of Carryover |
調査が遅れたため、身体活動量測定器の追加購入等をしていない。データ入力やデータ整理のために使用予定であったアルバイト代の支出がない。 同時に調査を行うため、身体活動量測定器の購入、アルバイト代、分析に使用するソフトの購入にあてる。
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Research Products
(2 results)