2017 Fiscal Year Research-status Report
がん薬物療法における見過ごされがちな副作用の対処法の集積
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17K12281
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
北村 有子 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (10364035)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん看護学 / がん薬物療法 / 副作用症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、がん薬物療法の副作用、特に見過ごされがちな副作用に関して、副作用軽減の対処法について、がん専門病院の多職種の知識・経験を広く集積し、検討することを目的としている。 計画では、患者視点の副作用評価データの収集・分析を行い、患者のニーズが高く情報の不十分な副作用の選出をすることから開始し、多職種の意見を集積して、最終年に副作用対処の情報発信を予定していた。しかし、多職種との検討により、現状の副作用対処法を示し、それに対して意見をだすほうが取り組みやすいとの意見を受けて、計画を見直し、実施順序を入れ替えた。 H29年度は、がん薬物療法約70レジメンについて、副作用とその対処法をまとめ、Webで公開する作業を優先した。対処法の記述は、最終的に患者向けの情報発信をすることから、患者に分かりやすい言葉を用い、治療前・中・後の「時期別」、副作用の重症度によって対処法を変更する「重症度別」、個人の好みや習慣などによって対処法を取り入れる「嗜好別」の区分を意識して、レジメン別の冊子を作成した。H30年度中に所属施設のWebサイト(https://www.scchr.jp/index.html)で公開予定である。これにより、広く周知を図り、意見募集の期間を長く確保できる利点があり、得られた意見を冊子内容の追加・修正に反映させ、スムーズな情報発信につなげることができる。 また、計画順序を入れ替えたことによりH29年度実施予定であった、患者視点の副作用評価データの収集・分析と、患者のニーズが高く情報の不十分な副作用の選出は、H30年度に実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多職種との検討の結果、計画順序を入れ替えて、次年度計画を優先し進めたが、計画全体としてはおおむね順調である。計画順序を入れ替えたことで、意見募集の期間を長く確保できる利点があり、最終的に達成できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度は、患者視点の副作用評価データの収集・分析を実施する。具体的には、患者自己評価基準及び毎日の患者副作用記録用紙と、データ蓄積システムを用いて、自施設において運用を始め、患者の毎日の副作用評価データを収集し、分析する。 そして、すでにリスト化している先行研究の(医療者評価による)副作用頻度と、収集した患者評価データを比較し、頻度と重症度の観点から、患者がつらいと感じている副作用を検討する。これらを患者のニーズが高い副作用と捉え、医療者が考える対処法の重症度、現時点で提供されている情報量・内容などを考慮して、まとめに向けて優先順位をつける。 次に、H30年度に公開したWebの冊子内容について、多職種から得た意見をまとめ、優先順位が高いが情報不足の副作用があれば、関係職種に追加で調査を行う。集積した内容を整理し、患者に有用であるかどうかや、提供の仕方について検討を行い、冊子内容や構成の追加・修正をしたうえでWebサイトに公開する。
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Causes of Carryover |
患者の副作用評価データ収集に用いる予定であったが、計画順序を入れ替えたため、次年度使用が生じた。データ収集はH30年度に実施予定である。
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Research Products
(1 results)