2018 Fiscal Year Research-status Report
がん薬物療法における見過ごされがちな副作用の対処法の集積
Project/Area Number |
17K12281
|
Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
北村 有子 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (10364035)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | がん看護学 / がん薬物療法 / 副作用症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、がん薬物療法の副作用、特に見過ごされがちな副作用における副作用軽減の対処法について、がん専門病院の多職種の知識・経験を広く集積し、検討することを目的としている。 本年度は、がん薬物療法70レジメンについて、がん種と適応ライン別に、副作用とその対処法を各1冊にまとめ、2019年2月にWebで公開した(https://www.scchr.jp/information-prescription.html)。消化器、呼吸器、皮膚科の70レジメン91種類を掲載しており、各説明書をPDFでダウンロードできる。Web公開後10日でPDFダウンロード約3,000件の反響があった。PDFを初回ダウンロードする際に、簡単なアンケートを設けて利用者の概要を把握できるようにした。アンケート結果より、ダウンロード実施利用者は、薬剤師38%、患者13%、家族13%、医師10%、その他医療関係者16%などであった。 説明書は、最終的に患者向けの情報発信とすることを意識し、患者にわかりやすい言葉を用いた。いくつかの副作用には予防策があり、治療前から行っておくと軽減できることから、具体的な副作用対処の記述では、治療前・中・後の「時期別」、副作用の重症化によって対処法を変更する「重要度別」、個人の好みや習慣などによって対処法を取り入れる「嗜好別」の区分を強調した。さらに、副作用の早期発見と対処のために「医療者(病院)に報告する目安」を上段に設け、写真やイラストを加えるなどの工夫をした。治療効果や治療スケジュール、注意事項などとあわせて、患者に知っておいてほしい内容を1冊にまとめたため、各冊子50~60ページとなった。 Web公開後も医療者より副作用追加の指摘があり、適宜、一部説明書において副作用項目の追加・修正を行った。引き続き、冊子内容について意見を募り、修正していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画順序を入れ替えて進め、Web公開を優先したことにより、広く医療者や患者から意見を収集できる利点がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
Web公開を優先したため、今後、患者視点の副作用評価データの収集・分析を予定している。具体的には、患者自己評価基準及び毎日の患者副作用記録用紙と、データ蓄積システムを用いて、自施設において運用開始できるよう進める。 広く医療者や患者から収集した意見とあわせて多方面から検討し、患者のニーズが高く情報が不十分な副作用の選出を行ない、Webで公開している説明書に追加・修正をする予定である。
|
Causes of Carryover |
当初の研究計画を入れ替えて実施したため。 副作用評価データ蓄積システムとWebの運用、システム修正・拡張に使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)