2019 Fiscal Year Research-status Report
早産児の自律神経系反応を活用した愛着を促す家族介入プログラムの開発
Project/Area Number |
17K12313
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
堀金 幸栄 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (90588857)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真理 順天堂大学, 医療看護学研究科, 特任教授 (20216758)
佐藤 真由美 埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (40375936)
香取 洋子 北里大学, 看護学部, 教授 (90276171)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 早産児 / 自律神経系反応 / 声かけ / 母子相互作用 / 親子関係 / ボンディング / 円環イメージ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、早産児の自律神経系反応による応答性を活用し、面会時の効果的な声かけやタッチングを促すことで愛着を促すことを研究の目的としている。研究の成果が明確となれば、早産児の応答性について新たな知見を得ることができ、早産を経験した母親や父親が子どもと良好な関係が育まれるような親子相互作用の発達を促す家族介入プログラムの一案として提案できると考えている。 平成29年~30年度は、両親の声かけやタッチングの介入プログラムの再検討を行った。まず、声かけとタッチングを同時に行った場合、声かけの効果なのかタッチングの効果なのか区別することが難しいため、介入は声かけのみに限定することとした。また、子に対する愛着はボンディング(情緒的な関心や愛情)と表記するように変化しているため、本研究でも表記を変更し評価していく。カンガルーケアによりボンディング獲得に効果があると報告されている。そのため、本研究の成果を明確にするため介入時期はカンガルーケア開始前に限定することとした。 平成30年度に予備調査を実施し、早産児とその両親4組のデータを収集した。両親が声をかけた時の早産児の自律神経活動の変化や両親のボンディングの変化を分析した。母親が声をかけた時の早産児の自律神経系反応の変化を母親にフィードバックすることで母親の子に対する気持ちがどのように変化したかをまとめた。父親にも同様に声かけをしてもらい、早産児の自律神経系反応の変化を母親にフィードバックすることで母親の子に対する気持ちがどのように変化したかを分析した。対象となる早産児への声かけは担当する看護師の場合と比べるとどうかも比較してみた。「赤ちゃんへの気持ち」の質問紙を用いてどのように変化したか、対象との関係性を示す「円環イメージ」を記入してもらい、分析した。その結果をまとめ、令和元年5月NewZealandで開催された国際学会にて発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、ご両親に研究の説明と同意を得て、面会時にご両親一緒に参加してもらえる時間を確保することが重要である。そのためには施設内の研究協力者が面会日を確認し、研究者に連絡して頂く必要がある。しかしながら、研究協力者が退職したり、育児休暇を取得しているため、代わりの研究協力者が立たず研究を進めることができずにいる。また、看護方針としてできるだけ早くカンガルーケアを開始するように変更となり、研究の承諾を得ていても先にカンガルーケア開始となったため研究対象の除外となったケースが続いているため、研究が遅れている。さらに2019年10月には大型台風15号と19号による甚大な自然災害が研究協力施設のある千葉県にあり、長期間にわたり研究協力施設での研究協力が得られていない。 また、今年は新型コロナウイルスの緊急事態宣言があり、病院内での研究実施ができないため研究のデータ収集が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は介入研究をデザインとしているため、多くの研究対象者の協力が必要であるが、予備研究で中断している。今後は、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除され、病院内での研究協力が得られるようになった時点で研究の再開を目標としている。しかし、病院の部外者である研究者がNUCUへの出入りを許可してもらうのは容易ではない。研究協力施設と感染防止に関する打ち合わせを十分に行い、研究を再開したい。 このコロナ禍の中で十分に面会できない親子にとって、尚更愛着(ボンディング)を促す介入は重要であると考えるため、本研究の重要性を説明し理解して頂こうと考えている。また、新規の研究協力施設を探しながら、多施設でのデータ収集を行い、本研究の成果まとめていきたい。 なお、新規研究協力施設が見つからない場合は、これまでに得られた研究データの質的分析を行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
2019年の甚大な大型台風の影響や新型コロナウイルスの緊急事態宣言を受け研究が中止となっており研究費の使用額を2020年度に使用するため。
|
Research Products
(1 results)