2020 Fiscal Year Research-status Report
未婚男性における妊孕性の認識構造と「男性の妊孕性に対する自己認識尺度」の開発
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17K12324
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
山口 典子 新潟医療福祉大学, 看護学部, 准教授 (90465469)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 男性不妊 / 妊孕性 / 認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、子どものいない生殖年齢に当たる男性たちが、自身の妊孕性をどのように認識しているのかについて、幅広い年齢、学歴、職種を対象とし、質的及び量的研究方法から実態を明らかにするとともに、男性の妊孕性に対する自己認識尺度の開発を目的としている。男性の妊孕性に関する知識や認識についての全体像を把握し、評価できる質問紙を開発することで、男性の各年代あるいは各ライフステージにおける男性の生殖や妊孕性の意識や知識の向上を目指すプログラムの開発といった研究へと今後発展することが期待できる。 研究遂行に必要な国内外における文献検討を行い、また女性側の妊孕性の認識についても文献検討を行い見識を広げた。さらに、尺度開発に関する文献についても多数精読し、尺度開発の方法や手順に関しても研究者間で熟考を重ねた。 抽出された国内外の文献を参考にし、男性の妊孕性に対する認識に関連する項目をピックアップすることで、尺度案を作成した。作成した尺度案については、研究者間で検討を重ねた後、多分野にわたる研究者等を対象としたプレテストを実施し、回答しづらさや項目内容のわかりづらさなどを再検討し、表現など若干の修正を行った。 その後、倫理審査に向けた書類の作成を行い、申請を行った。倫理審査承認後、web調査会社と契約し、本研究の尺度開発に必要なサンプル数である660名の男性を対象に調査を開始し、順調に回収が進んでいる状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
男性の妊孕性に関する国内外における文献が僅少ではあるものの、女性の妊孕性に関する文献など幅広く視野を広げたうえで検討を図った。また尺度開発そのものの文献も多数精読することで、尺度開発の方法や手順に関しても研究者間で熟考を重ねた。その結果、文献から尺度開発に向けた項目を挙げることができ、尺度案の作成にまでに至っている。 また、作成した尺度案を使用した調査を開始するために速やかに倫理審査申請を行い、承認後はweb調査会社との契約を行い、調査を開始できた。 よって、調査完了次第、得られたデータから、尺度開発のための因子間構造を解明し、尺度の精錬に向けた準備が整ったことからも、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
調査完了次第、得られたデータから、尺度開発のための因子間構造を解明し、尺度の精錬を行う。因子分析は研究者間で協力して行い、解析結果については研究者間で検討を重ねる。また尺度の信頼性・妥当性についても、得られた結果から考察する。最終的には本尺度の有用性について研究者間で検討を行い、これらの得られた結果については学会発表と論文投稿を行い公表する予定である。
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Causes of Carryover |
調査終了後、学会発表と論文投稿を予定しており、英文校閲や手続きに必要な経費として使用予定である。
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