2019 Fiscal Year Annual Research Report
Symptoms and signs for midwives to refer to a doctor in postpartum breast care
Project/Area Number |
17K12348
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
葉久 真理 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (50236444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 桂子 (横山桂子) 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (20263874)
近藤 彩 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (20721921)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 助産師 / 産後 / 母乳ケア / 臨床的指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、助産師による産後の乳房ケアにおいて、医師に紹介すべきか否かという乳房(乳腺)状況の臨床的指標を提示することである。助産師の判断により乳腺外科医に紹介された21事例(昨年度の8事例含む)について、開業助産師と乳腺外科医の協力を得て、助産師の判断所見と乳腺外科医による乳腺画像・診断とを照らし合わせた。 開業助産師が乳腺外科医に紹介した21事例中、化膿性乳腺炎(感染性乳腺炎)は5事例であった。助産師は、乳腺炎の特徴的所見を認める場合は、事例の全身状態に応じて、対処が遅れて悪化することがないように乳腺外科医への紹介時期を判断していた。本調査対象者では、産後2か月から11か月に感染性乳腺炎を発症していた。乳腺炎の症状に乏しい事例が1例みられたが、助産師は、乳房ケアをしても『どうしてもとれないしこり(硬結)』により乳腺外科医を紹介していた。本事例の医師による診断は、感染性乳腺嚢胞であった。また、4例は、発熱と硬結所見により紹介し、うっ滞性乳腺炎との診断であった。離乳期頃には、うっ滞性乳腺炎、さらには感染性乳腺炎の発症を認めることがあり、4事例中3事例は産後1年頃の発症であった。 助産師は、継続的に乳房ケアを行っても『どうしてもとれないしこり(硬結)』に疑問を感じ、また、母親自身が『しこり(硬結)』に気づき助産所を訪れる事例もあり、確認のために乳腺外科医の診察を求めていた。硬結は、乳汁嚢胞が2例で、後の8例は授乳期乳腺であった。以上の乳腺画像は、研究成果報告書で提示する。 本調査においては、開業助産師と乳腺外科医との連携が図られており、授乳期の母親のみならず助産師は安心して母乳ケアを実施していた。さらに、助産師からの紹介状と医師の診断や処置に関する返事があることで、早期に紹介すべき事例、経過観察していて大丈夫な事例の判断とその根拠が集積されるものと期待される。
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