2020 Fiscal Year Research-status Report
中堅助産師の実践能力向上のためのプログラム開発とOSCEを用いた評価
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17K12357
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Research Institution | Yokkaichi Nursing and Medical Care University |
Principal Investigator |
二村 良子 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 教授 (30249354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永見 桂子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (10218026)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中堅助産師 / 看護実践能力 / OSCE |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】臨床経験5~7年程度であり、助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)にレベルⅢに相当する助産師(以下中堅助産師と略す)に対して、実践能力に関する客観的な評価項目を作成し、客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination:以下OSCEと略す)により評価することである。 【研究実施計画】研究参加者 A県内の分娩を取り扱っている病院は15施設あり、病院に勤務する常勤助産師の約6割はA県の周産期母子医療センター5施設に勤務しており、そのうち協力の得られた3施設に勤務している産科病棟の看護管理者である助産師9名(師長各1名、副師長各2名)を対象とした。方法は、自作のインタビューガイドを用いて、研究参加者に対して、60分程度の半構造化面接法を実施した。面接内容は、CLoCMiP レベルⅢの評価方法としているマタニティケア能力の「妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期の診断とケア/分娩期の配慮の視点」について、病棟看護管理者所属施設の中堅助産師の実践能力を問うものとした。語りの内容は、研究参加者の了承を得て、ICレコーダーに録音した。得られたデータを逐語録化し、病棟看護管理者が中堅助産師の実践能力をどのように捉えているか、データの同質性、異質性に着目し、分析を行い、サブカテゴリー、カテゴリーを抽出した。分析結果の真実性・信憑性確保のため複数の研究者で分析過程を共通し、検討を重ねた。結果:病棟看護管理者が不十分と捉える中堅助産師の看護実践能力 【ケア実施に関するアセスメント・診断】【経験不足による直接ケア能力】【実践能力向上への自身の課題把握】【チーム内での関係調整能力】【実践能力向上への取り組み意欲】であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度までの結果に基づき、病棟看護管理者が捉えた中堅助産師の看護実践能力として抽出されたカテゴリーより、「経験不足による直接ケア能力」を発展させていくために、シミュレーションやOSCEを取り入れて、実践に即した内容のプログラム策定が必要である。プログラム策定においては、「アセスメント/問題の明確化」「診断」の項目を含む内容とし、【実践能力向上への自身の課題把握】が行えるような視覚的な評価方法を取り入れていくと考えていた。しかし、本務における新型コロナ感染症対策及び遠隔授業準備等に時間をとられ、研究実施ができなかったため、研究遂行が予定より1年以上遅れいている。 特に《研究ⅡStep2》として考えていた、文献検討により中堅助産師の実践能力評価方法・尺度等を決定する作業ができない状態となっている。それ以降の《研究ⅢStep3》、《研究ⅣStep4》に進むことができていない。特に、文献検討から、中堅助産師の実践能力評価方法、尺度が本研究において使用可能かを決定するまでに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究が遅れていることから、研究計画の変更を行う必要があると考え、《Step2》として実施予定であった、文献検討から中堅助産師の実践能力評価方法・尺度を決定し、用いることは中止する。 病棟看護管理者が捉えた中堅助産師の実践能力の実態に基づき、中堅助産師に求められる実践能力について評価する方法を開発し、本法が中堅助産師の実践能力の評価が可能であるかどうかを検証する。そのために、1)実践能力評価項目の決定 これについては、マタニティケア能力の実践評価を行うため、妊娠期、分娩期、産褥期、新生児期の事例を作成し、《研究ⅠStep1》の結果の【ケア実施に関するアセスメント・診断】【経験不足による直接ケア能力】【実践能力向上への自身の課題把握】【チーム内での関係調整能力】【実践能力向上への取り組み意欲】を含む評価項目を作成する。その評価項目の信頼性、妥当性を検討については、実際に看護学生と熟練助産師に対して、課題に基づいた場面設定のOSCEを実施し、検討を行うこととし、評価方法、尺度として使用可能かを判断する。評価方法、尺度として使用可能であれば、この評価項目を用いて中堅助産師の臨床実践能力を、中堅助産師が実践した内容について、中堅助産師の自己評価および病棟看護管理者の他者による評価を行い、両者の評価を比較し、中堅助産師の臨床実践能力の課題を明確にする。
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Causes of Carryover |
文献検討費用および中堅助産師に対するOSCEを実施における人件費、謝金等費用を予定している。 研究参加者への交通費支給、謝金、OSCE実施の録画内容のチェックについて、作業を一部分担する人員に対する謝金とする。また、録画内容から、逐語録作成を行うのに要する費用を業者委託とするためにその使用費用を確保する。 また、次年度は論文作成にあたり、英文原稿についてネイティブチェックを行うために、その費用についても確保する必要がある。
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