2019 Fiscal Year Research-status Report
看護師の小児看護への技能転移における状況的組織デザインモデルの開発
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17K12375
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
川名 るり 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (70265726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有元 典文 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (30255195)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 学習転移 / 状況論 / 看護師教育 / 組織 / 小児看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は1)フィールドワークの結果分析、2)国際学会での発表と討議、3)海外視察、を実施した。具体的には以下のとおりである。 1)フィールドワークの結果分析:共同研究者間で結果の分析を継続し、さらに学習理論の専門家である研究者、大学院生らとの学習会においてディスカッションを深めた。多様性が交渉し合う場についての議論では、ドイツ哲学者であるヘーゲルの弁証法の考えが本研究結果を解釈していく上で極めで重要な鍵となり、現場を理解する上で重要な考え方であることについて理解し合えた。ここでの議論を通して、大変有益な知見を得ることができた。 2)国際学会での発表と討議:国際学会において質問紙調査の結果を公表した。発表の場において、看護師の転移課題について諸外国の看護師らと討議した。海外の医療事情や看護教育の現状を踏まえ、改めて日本独自の医療事情による影響について議論を深めることができ、新たな観点から日本の医療現場(看護教育)の課題を見直すことができた。 3)海外視察:タイ国の総合病院の視察を行った。タイは看護系大学卒の看護師の地位が高く、病院では基本的に配置転換がない、独特な医療保険事情などがあり、日本で生じている看護師の学習転移課題の背景とは事情が異なっていた。また、大卒看護師はマークのついた白衣(キャップ)を身にまとうことで、一般の看護師とは区別されていた。日常業務において、大卒看護師が優遇されていることが明らかであった。看護師の地位や扱いなど、その国の医療事情が絡んでいることから、日本で生じている転移の課題も単なる転移の問題だけでなく、日本独自の事情が絡んでいることが改めて浮き彫りになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度計画として、1)調査結果の公表、2)フィールドワークの結果分析を予定していた。それらについて、すでに研究実績の概要に記したように、一定の成果を得ることができた。また、今後の方向性として国際学会での発表、海外視察を視野にいれていたが、それらについてもすでに実施し、一定の成果を得ることができている。以上より、順調に研究を進展させることができているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、本研究課題の最終年度である。すでに分析結果の一部は学術集会で公表してきたが、今年度は論文投稿を進める予定である。 そして、本研究課題である、看護師の小児看護への技能転移における状況的組織デザインモデルを開発・完成させることをめざす。日本独自の医療事情を踏まえて、看護師がすでに学んだ技能を新たな組織内でいかにしてよりよく発揮できるのか、組織的支援について提案する。
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Causes of Carryover |
計画していた国際学会での諸経費を減額できた(学会会場での宿泊が可能となり、交通費を削減できた)。次年度へ繰り越し、最終年度として研究成果の報告書をまとめる冊子印刷代金として使用予定である。
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Research Products
(1 results)