2020 Fiscal Year Research-status Report
看護師の小児看護への技能転移における状況的組織デザインモデルの開発
Project/Area Number |
17K12375
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
川名 るり 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (70265726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有元 典文 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (30255195)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 技能転移 / 状況論 / 看護師教育 / 組織 / 小児看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は本研究課題の最終年度として、看護師の小児看護への技能転移における状況的組織デザインモデルを開発・完成させることをめざした。 これまでの研究成果として、1)日本独自の医療事情、すなわち、少子超高齢社会に対応した社会保障制度構築のため、効率的かつ質の高い医療提供体制を図ろうとすることを背景に、諸外国と異なる混合病棟が存在することや看護師の組織間異動や同一病院内での配置転換が推奨されてきた。しかし、そうした社会変化に伴い働く場を異動する看護師が増加した一方で、同時に、職場異動に伴う様々な看護実践上の課題が浮き彫りにされた。フィールドワークを通して、これまで明らかにされてこなかった、2)看護師が学んだ技能を新たな組織内で発揮するのを阻む現状とその要因が明らかになった。それら研究成果をもとに、最終年度として、共同研究者間で支援モデルについて議論し、転移促進のための支援モデル開発を図ることを計画した。さらには、モデル開発の最終段階として、3)検討した支援モデルについて、学会発表等の機会を通じて専門家と議論し、モデルを洗練させ、状況的組織デザインモデルとして完成させることを計画した。 1)、2)については、共同研究者間で研究成果の分析と支援モデルについて議論を尽くし順調に遂行できた。特に、小児病棟における転移の阻害要因として組織的な支援体制が構築されにくい環境の存在とその対応策、また、日常の自然発生的なネットワーク形成が転移を促進する鍵であるという研究成果をモデルに反映させ、転移促進に向けた支援モデルを開発した。しかし、モデル開発の最終段階とした、3)については、COVID-19感染拡大の状況下、学会や交流会など当初計画が中止、または延期せざる得ない状況に陥り、十分に実現できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度計画として、1)研究成果を踏まえて支援モデルを検討する、2)検討した支援モデルについて議論を深め洗練させ、現場実装し得る状況的組織デザインモデルを提案することを予定していた。それらについては、研究実績の概要に記したように、一定の成果を得ることができたが、本研究課題の最終年度として、モデル開発の最終段階である状況的組織デザインモデルの洗練、提案が残された。以上より、やや遅れているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、一年間補助事業期間を延長した。 今後の研究の推進方策としては、研究成果を公表し、検討した支援モデルについて議論を深め、より洗練させる予定である。 今後、本研究課題である看護師の小児看護への技能転移における状況的組織デザインモデルとして現場実装に向けて洗練させ、提案する。
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Causes of Carryover |
計画していた国際学会及び国内学会での発表や交流会への参加費用、また、最終年度として研究成果の報告書として予定していた冊子印刷代金について、補助事業期間を1年延長したことに伴い次年度へ繰り越して使用する予定である。
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Research Products
(4 results)