2019 Fiscal Year Research-status Report
口唇裂・口蓋裂に対する自己認識の実態から次世代に向きあうための支援をさぐる
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17K12388
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
中新 美保子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 教授 (00319998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 邦子 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (50258266)
松田 美鈴 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 助教 (40794996)
西村 直子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (30548714) [Withdrawn]
井上 清香 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 助教 (80803486)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口唇口蓋裂 / 思春期 / 自己認識 / 成人期 / 遺伝 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.思春期にある口唇口蓋裂当事者および保護者の聞き取り調査:2019年度は口唇口蓋裂当事者および保護者を対象とした1回/年、3年間継続する聞取り調査の3年目と一部2年目に該当していた。が、実施できたのは2年目にあたる6組であった。3年目にあたる16組と母親1名に対しては連絡調整をしていたが、2月からの新型コロナウイルスの影響で聞き取り調査は実施できていない。2018年度までの聞取り調査から、「当事者と保護者の捉えの違い」を明らかにすることが課題であった。そのため、病気説明時に保護者がどのように説明を行い、子どもの反応をどう捉えたのか、それを子どもがどのような思いで受け止めたのかの相違を視点として14症例の分析を行った。その結果、保護者の捉えと子どもの受け止めに「相違あり」は3症例、「相違なし」は8症例、「どちらとも判断できない」は3症例であり、相違なしの症例が多いことが明らかとなった。これらを踏まえて3年目の聞き取りにおいては、子どもの成長とともに病気に対する受け止めがどう変化していくのかについて詳細に聞き取りを行う必要性を感じている。2.成人期にある当事者の聞き取り調査の結果公表:これまでの聞き取りデータを分析し、未婚・既婚の別での知見を公表することを目標として取り組んでいたが、2019年度には公表できておらず、近日中に公表する予定である。3.非当事者の意識調査:非当事者を対象として、本疾患の認知度、知ったきっかけ、病気の原因(遺伝の有無)、生活上の問題等を調査する予定であったが、予定が遅れ実施できていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1.思春期にある口唇口蓋裂当事者および保護者の自己認識の聞き取り調査:2020年2-3月に予定していた3回目の聞き取り調査が新型コロナウイルス感染症の影響で実施できていない。岡山県内だけでなく、鹿児島県や福岡県での聞き取りが含まれているため今後の動向を見ながら移動が可能になった時点で進めていく。 2.成人期の当事者の聞き取り調査の結果公表および意識調査:2019年度に研究分担者1名が体調を崩し5ヶ月の休職となった事、また、別の1名の分担者も業務多忙で研究活動ができない状況にあった事から、結果公表および意識調査の未実施という遅れに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
1.思春期にある口唇口蓋裂当事者の自己認識の聞き取り調査:新型コロナウイルス感染症の影響による緊急事態宣言が緩和され、移動が可能となった時点で3年目の聞取りを実施する。長期化する場合は、倫理委員会に相談し、インターネット電話を用いた対面による聞き取り調査などに変更して実施することを検討する。 2.成人期の当事者の聞き取り調査の結果公表:データ分析をすすめ、今年度中には公表する。 3.意識調査:現在、質問紙の質問項目を決定するためにミーティングをもち、進めている。 上記を進めるために、研究分担者1名を追加登録する予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度の予算として計上していた、非当事者を対象とした意識調査が未実施であったこと、また、年度末に予定していた聞き取り調査が新型コロナウイルスの影響から移動制限が指示され、福岡県への2名の1泊2日の旅費が使用できなかったことが影響した。 2020年度は、意識調査を実施するため予算は使用する(調査は分析までの外部委託のため40万程度を予定している)。また、移動が可能となれば、聞き取り調査も再開するため、旅費として使用する。また、研究分担者1名を追加するための研究費にも充てる予定である。
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