2020 Fiscal Year Research-status Report
口唇裂・口蓋裂に対する自己認識の実態から次世代に向きあうための支援をさぐる
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17K12388
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
中新 美保子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 教授 (00319998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 邦子 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (50258266)
松田 美鈴 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 助教 (40794996)
西村 直子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (30548714) [Withdrawn]
香西 早苗 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 助教 (70881952)
井上 清香 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 助教 (80803486)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口唇口蓋裂 / 思春期 / 自己認識 / 成人期 / 遺伝 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.思春期にある口唇口蓋裂当事者および保護者の聞き取り調査:2020年度は2019年度にコロナ禍で実施できなかった3回目の聞取りを実施する予定であった。しかし、感染状況に波があり鹿児島・福岡での聞き取り調査は見送るほかなかった。ZOOMなどの方法も検討したが、学童期から思春期の子どもには不向きと考え、今年度の実施を予定している。岡山県内の対象者5組に対しては、聞き取り調査が実施できた。 2.成人期にある当事者の聞き取り調査:すでに終了し、未婚者7名を対象とした結果を学会誌に投稿した。結果としては、自己認識について6名はポジティブに捉え、1名は病気を普段意識することはないが他者から不意に傷について問われると不快に感じることがあるとアンビバレンツな捉えであった。結婚については、病気説明の時期や方法について悩んでいるが、否定的な感情を持つ者はいなかった。次世代への捉えについては、多因子遺伝の認識を持っている者もあり、予防のための情報提供を期待している実態が明らかになった。今後は既婚者のデータを論文として公表する準備にかかっている。 3.非当事者の意識調査:WEB調査を実施した。本疾患の認知度を10,000名に調査し、知っていると回答した男女各125名を対象に、知ったきっかけ、病気の原因(遺伝の有無)、生活上の問題等を調査した。現在、分析中であり、単純集計を2021年度の日本口蓋裂学会にエントリーした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.思春期にある当事者と保護者の聞き取り調査がコロナ禍において実施できていない。ギリギリまで鹿児島や福岡の対象者には直接面接を行いたいと考えており、収束を待った経緯がある。思春期であっても年齢が高い対象者にはZOOM等の手段も検討する。1年の研究期間の延長も視野に入れている。 2.成人期の既婚者のデータ分析・論文として社会に公表する点については、コロナ禍の中で、充分な研究時間の確保が難しく、未婚者のみに終わった。 3.非当事者の意識調査についても業務多忙が影響して、なかなか研究時間の確保が難しかった。また、コロナ禍の中でデータ収集方法に苦慮したが、WEB調査を選択したことで調査の実施と250名のデータが集まった。今後、人的・分析環境(PCやSPSS)を整えて、早急に分析を実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.思春期にある当事者と保護者の聞き取り調査については直接対面で聞き取りを実施したい。ギリギリまで鹿児島や福岡の対象者には直接面接の時期を待ちたい。しかし、難しい場合、あるいは当事者の年齢が高くなった場合は、ZOOM等の手段も検討する。1年の研究期間の延長も視野に入れている。 2.成人期の既婚者のデータ分析や論文として、今年度は既婚者のデータを論文として公表するための準備に入っている。 3.非当事者の意識調査については、分析方法を再検討して非当事者の意識の分析を進めていく。今後、分析環境(PCやSPSS)を整えて、早急に分析を実施し、1・2の結果から、当事者への支援を検討して行く予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルス感染症の関係で、鹿児島や福岡への聞き取り調査や情報収集のための日本口蓋裂学会および日本小児看護学会への現地参加ができなかったことが影響して、経費の使用ができなかった。来年度は、感染症の収束状況を鑑み、可能であれば現地での聞き取りを行うための経費としたい。また、WEB調査の結果のまとめや分析等のためのソフトやPCの購入を計画したい。
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Research Products
(1 results)