2018 Fiscal Year Research-status Report
認知症の人と家族の映像を導入した専門職連携教育プログラムの開発と教育効果の検証
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17K12393
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
竹内 登美子 富山県立大学, 看護学部, 教授 (40248860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 恵里 富山県立大学, 看護学部, 教授 (20307656)
小澤 和弘 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授(移行) (20336639)
青柳 寿弥 富山県立大学, 看護学部, 講師 (40622816)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知症 / 家族介護者 / 多職種連携 / 教育プログラム / 教育効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の目的は、認知症をめぐる人々の健康と生活の質向上を目指した多職種連携教育プログラム案を複数作成し、その効果を比較・検討することであった。このプログラムは、①認知症当事者の体験や治療・ケアの実践事例を提示する、②多職種間で意見交換する時間を確保する、という2点を満たす内容とした。作成したプログラムの評価は、認知症の人と家族、および保健医療福祉の専門職者を対象とした研修会を実施した後に、質問紙調査を行い内容の分析を行うこととした。 上記のプログラムに基づく研修会の実施は、医師(2回)、看護教員・医師と介護家族・認知症看護認定看護師が各1回の合計5回であった。各々約1時間の研修を行った後、グループに分かれて討議、あるいは全体討議を約1時間実施した。その後、研修内容に関する5段階評価と、自由記述内容を分析することによって、異なった形式で実施した多職種連携教育プログラムの効果を比較・検討した。 5回の研修会参加者は、平均21.4人(15~25人)であり、看護師・介護支援専門員・介護福祉士・介護家族・保健師と認知症本人・医師の順で参加割合が高かった。参加前と参加後の理解度を比べてみると、最も理解度が伸びたのは、「3人の認知症看護認定看護師が行った実践報告」であり44%の伸び率であった。ついで看護教員が行った「映像を用いた認知症本人と家族介護者の体験に関する報告」で、伸び率は43%であった。医師および医師と介護家族による「基礎知識の提供と事例報告」は、32~39%の伸び率であった。自由記述内容の分析では、講演後のグループおよび全体討議によって、多職種による異なった視点からの意見が聞けたことに対する肯定的内容が多く見受けられた。また、映像を含む認知症本人と家族の体験を知ったことに対する肯定的意見も多く、当事者の体験を教育プログラムの中に導入していく必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多職種連携教育プログラム案を複数作成し、その効果を比較・検討するところまで進めることができた。また、当事者の参加はもちろんであるが、映像を用いた当事者の体験を教育プログラムの中に導入していく必要性が、複数案を実施した結果からも示唆されたことにより、今後に向けて教育プログラム内容を充実させていく方向性が明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの研究結果に基づいて、従来から蓄積してきた「認知症の人と介護家族の体験」映像を見直し、必要時には新たな映像を追加して、認知症をめぐる人々の健康と生活の質向上を目指した多職種連携教育プログラムを作成する。さらに、作成した多職種連携教育プログラムを用いた研修会を実施し、教育効果を検証する。
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Causes of Carryover |
共同研究者との打合せ旅費を予算化していたが、テレビ会議システムを利用して打合せを行ったこと、および学会旅費を計上していたが学会参加しなかったことからこのような状況となった。次年度は共同研究者らと共に、学会に参加する予定である。
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Research Products
(4 results)